48 ページ16
喫茶店の隅の席で一人残された私はただ呆然としていた。
____景光くんは知ってたんだ。
自身が組織の手で消されてしまう事を。
それなのに彼は
残酷な運命に抗おうともせず
「間違っても俺を助けるな」と
私に伝えたのだ。
私が自らしようとした助けも拒否した。
私と、彼の仲間に万が一でも
疑いをかけられない為に。
……景光くんを組織になんか消されたくない。
私なら助けられる。
例えそれで組織に目をつけられたとしても
今の立場なら何とかなる。
…けど、命を諦めてでも助けを拒んだ
彼の願いを無視できない。
彼の想いや言葉を裏切るような
真似はできない。
私の中で2つの心理が交差して
迷いの泥沼にはまっていく。
私は…どうしたらいいの。
♪〜♪〜♪
『っ……』
握りしめていた携帯の鳴る音に
ハッとして画面を見ると
発信者に降谷の名前が表示される。
誰かと話すための余裕なんて
どこにもないのに、
気付くとその電話を受けていた。
『……もしもし?』
降「今日はどうした、仕事詰まってるぞ」
『あ…公安……ごめん。』
降「……」
私の様子がおかしい事に気付いたのか
黙った降谷。
理由聞かれたらどうしよう。
…言えるわけない。
降「…気にしてるのか、俺の言った事」
『……は?』
降「Aに「失いたくなかった」って言った事。」
っ…今その話するか。
何も言えずに黙る私に降谷は続けて。
降「妙な事を言ってすまなかった。
……けどあれは俺の本心だ。
________君が大切だ。失いたくない。
あいつらと同じくらいに。」
『…え』
降「____Aは、
松田や萩や伊達、ヒロと同じくらい
かけがえのない俺の仲間だから。
……もし、あの時Aに何かあったら
俺は一生自分を許せなかった」
『……』
降「…あんな事を言った理由はそういう事だ。
もしあの件で
俺と顔を会わせづらく思っていたら悪かった。
……明日は公安に来るんだぞ、
じゃあ、また後でな。」ピッ
・
通話の切れた携帯を耳に当てたまま
まばたきした目から
頬にかけて涙が伝う。
頭の中の泥沼から、
私は片足を引きを抜いた。
828人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きゃんぱす(プロフ) - みーーさん» コメントありがとうございます( *´﹀`* )私も警察学校組と夢主の絡みがとても好きで、鍋パのお話なんかは書いていてとても楽しいです〜!続編の編集がんばります!どうぞお楽しみに♡ (11月21日 19時) (レス) id: 75fb2e5163 (このIDを非表示/違反報告)
みーー(プロフ) - こんにちはコメント失礼します!夢主と降谷さんたちの関係性がすごく好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page50 id: 6c5220a1e1 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱす(プロフ) - #バボスコ推し#萩原推し#ゼロヒロ#低浮上さん» うぎゃあぁぁあご観覧&コメントありがとうございますううう(*T^T)!!萩原さんの大人な余裕!みたいなところが個人的にとても好きです( ´∀`* )b更新頑張ります!ぜひお楽しみくださいね! (2018年11月7日 7時) (レス) id: 71fb99b34f (このIDを非表示/違反報告)
#バボスコ推し#萩原推し#ゼロヒロ#低浮上(プロフ) - うわわわわわわわ萩原さんと降谷さん好きなんで二人だけのシーンありがたいですうううこれからも頑張って下さいいいいいい (2018年11月7日 7時) (レス) id: 0dbf445205 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱす(プロフ) - ジャッキーさん» コメントありがとうございます(*´∀`*)!どうなる夢主…!!今後にぜひご期待ください…!!更新頑張りますね! (2018年10月21日 17時) (レス) id: 71fb99b34f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きゃんぱす | 作成日時:2018年10月1日 18時