あの日見た、空に耳を傾け。DAIKI.A

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「…ね、ユリ。最近どう？大貴君と」




ユリ「…うん、いい感じ。Aのお陰だよ〜! 」



可愛らしく、感謝を告げるユリを見たAは、コイツには絶対叶わないと思った。




…見事に二人の願いが叶った席替えでは、ユリの後ろにA、そしてユリの隣が大貴となった。





…願いが叶い喜ぶ二人の姿を見て、大貴は、あまり状況を読めていないようだった。






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大貴「…俺、先生に職員室来いって言われたから、裕翔に教科書返しといて！」




「…裕翔って？」




自分のクラスの仲間の名も覚えないAに呆れる二人。




ユリ「あ、窓側の席の子でしょ？」



完全に判っていながらも裕翔の位置確認をするユリ。




その姿を見て大貴は、Aとは、違うと改めて思った。






…廊下を全速力で走る大貴の姿を見てユリは見とれる中、Aは、小学生からやり直しだと思った。



…






ユリ「…私、裕翔君のとこ持ってくね、Aも来る？」



ユリは大貴に頼まれた事だけは完璧にこなす、如何にも判りやすい女だった。



…裕翔というクラスメイトを知る機会があるんだから、とユリはAを見つめた。




…流石にユリの目力に勝てる者は無く、のんびりタイムを惜しんでまでユリについてったA。





「…えっ、あれが裕翔君、」



…窓にたそがれる彼の姿を見たAは、心臓を撃ち抜かれた。




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