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「ほ、ほええ……初めて知った……」
ぶっちゃけ言うと、僕も知ったのは割と最近だ。 夜にしか狼男になれない、これじゃ試験受けれないと嘆く僕に、おじいちゃんが教えてくれたのだ。
いや、おじいちゃんに教わる前に、お母さんにもちょこっと教わった気がする。 あまりにも幼い頃に聞いたから、内容はとぎれとぎれにしか覚えてないが。
『A、私達はね、満月の月明かりの下で人間に会っちゃいけないの』
僕がはっきりと覚えている言葉はこれくらいだ。 多分僕は、この言葉に、なんでー？と無邪気に聞いたんだろう。
でもこの後の理由は、言ってた気はするのだが、忘れてしまった。 忘れたのっていつだっけ。 小学校低学年までは覚えていたはずなのに。
これは僕の推測だが、きっと狼男の姿で人前に出ると、怖がられるからって理由だと思う。 もっと他の理由を聞いていた気がする。 気がするが、思い出せない。
思い出そうとしている間に先生が来た。 今日は2人1組になって、他のグループを潰し合うサバイバル形式の訓練だそうだ。 僕のペアは勝己だった。
「チッなんでクソ犬と一緒なんだよ死ね」
「勝己、昔から何度も言ってるけど僕、狼男だよ」
「うるせえ！ てめぇはせいぜい俺の後ろついて援護でもしてろカス！」
「へいへい」
勝己は、スタートの合図が鳴るや否や、住宅街を駆け抜けて行った。 僕もその後を追う。
小さい頃から変わらない、彼の後ろ姿の勇ましい事。 最初は憧れだったはずなのだ。 なのに、いつの間にか憧れてだけじゃ済まなくなって、それ以上を求めるようになっていた。 何も考えられない、何も手につかない。 少女漫画じみた台詞がよく分かってくる。
僕はこの勝己に対するドキドキした感情を、彼に伝えるべきか否か迷っている。 数年前までは、墓まで持っていくつもりだった。 気持ち悪いって、拒まれるのが怖かったから。 でも今は違う。 勝己も、僕と同じだ。 人類の生殖行為に反する気持ちがある。
きっと、勝己も出久に気持ちは伝えないつもりだ。 証拠もない、ただの憶測。 けど、仮に勝己が出久に告白したとしても、出久はそれを受け取れない。 そんな状況があったら、どんなにいいだろうか。 僕が勝己をかっさらってやれるのに。
「おいってめぇ集中しやがれ！俺の足引っ張ってんじゃねえぞ！」
僕は我に返った。 勝己の事を考えてて、援護をするのを忘れていたようだ。 僕は慌てて、相手チームを攻撃した。
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アイト - 好きな感じの、話です！続き、待ってます。頑張ってください！ (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
かやん(プロフ) - けいとるさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: fbec895554 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 面白いです！ 頑張ってください 応援してます!! (2017年9月26日 20時) (レス) id: a21381c293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやん | 作成日時：2017年9月24日 15時
