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『僕にとってかっちゃんは、ずっとずっと、勝ちたい相手だった。 オールマイトよりもずっと身近な、凄い人だったんだ。 小さい頃は、憧れるしかなかった。 背中を見ることしかできなかった。 でもね、』
そこで出久は俯いた。 泣いているのかと一瞬思ったが、次に顔を上げた彼の瞳は赤くもなく、湿ってもいなかった。 その代わり、強い意志を感じ取れる光を放っていた。
『個性が出てくれたおかげで。 僕は、やっとかっちゃんと本音をぶつけ合ったよ。 やっと同じ土俵に立ったって感じだった』
『悔しいよ。 個性がなきゃ、互いに心を通わせあう事もなかったんだと思うと悔しい。 でも、それ以上に、この個性に感謝してる。 僕もA君だったら良かったのにな。 もっと早くから、かっちゃんの事、分かれたかもしれないのに』
そんなことは、ない。 僕だって、個性がなきゃ勝己を振り向かせられない。 僕は自分の勘の鈍さに自分を殺したくなった。
出久は、はなから勝己の事を【ただの意地悪な幼なじみ】として見ていなかった。 ずっとずっと昔から、特別な目で見ていたのだ。 ありきたりな表現だけど、僕が勝己の思いに気づく前から、こいつらは見えない糸で結ばれていたんだと。
勝己と出久は何者にも形容しがたい糸で結ばれていたのだ。 赤い糸、なんて運命的なものではなく、黒く染まり、何重にも固結びされて拗れまくっている、歪なもの。 その分、2人は離れたくても離れられない。
よくよく考えれば、中学時代にだって分かるはずだった。 勝己、出久の事になった瞬間妙に我を忘れる。 みみっちい冷静さを持ち合わせているあの勝己が。 それほど、出久は勝己にとって大きな存在だと、何故気づかなかったのか。
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アイト - 好きな感じの、話です！続き、待ってます。頑張ってください！ (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
かやん(プロフ) - けいとるさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: fbec895554 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 面白いです！ 頑張ってください 応援してます!! (2017年9月26日 20時) (レス) id: a21381c293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやん | 作成日時：2017年9月24日 15時
