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ガタンゴトン、ガタンゴトン、と規則正しい音の中、僕はふと目を覚ました。
長い夢を見ていた気がする。 僕は電車の中にいた。 なんでいるんだっけ。 そうそう、皆と買い物に行った帰りなんだっけ。 空はもう既に橙色に染まっていた。
僕は誰かの肩に寄りかかるようにして寝ていたようだ。 身体が斜めに傾いていた。 見上げると、あどけない顔をして寝ている轟の寝顔がそこにあった。
うわあ、すっげえ可愛い。 いつもの氷のように鋭い目つきはどこへやら。 下がった眉に薄く開いた唇は、轟を一層幼く見せていた。 お前もう一生寝てた方がいいんじゃねえの。
中々お目にかかれない轟の寝顔を堪能してるうちに、僕は気づいてしまった。 商店街から僕らが降りる駅まで、そんなに時間はかからないはずだ。 少なくとも、夕方になる前までには着いている。 なのに、今の空は燃える炎のようにオレンジ色だ。
そして、電車の中には誰もいない。 シーンとした静けさの中、僕と轟のみが残っている。 極めつけに、『次はー、龍田口ー、龍田口ー』という、見知らぬ駅のアナウンスときた。
やっちまった〜、と僕は溜息をついた。 どうやら、寝過ごしてしまったようだ。 うわ最悪。 何時だよ今。 つうか、ここはどこだ？！ 僕はとりあえず轟を起こす事にした。
「ん……？」
「轟、僕ら寝過ごしたよ。 早く次の駅で降りようぜ」
僕は轟をユサユサと乱暴に揺さぶった。 轟の長いまつげが、ゆっくりと上げられていく。 轟は伸びをし、眠そうに辺りをチラリと一瞥した。
「……あ？……あー……そうだな、降り損ねたな……」
「降り損ねたな〜じゃないよ。 大体、なんでお前まで一緒になって寝てるの」
「いや…………俺らが降りる駅に着くまでは、起きてた」
「は？！なんで僕を起こして降りなかったの？！」
「……」
「いやいや、黙んなよ、ふざけんなよ！ なんでだよ！ 意味わかんねーんだけど！」
「お前の寝顔」
「え？」
「降りる駅になって、一応お前を起こそうとしたんだよ……でもさ、お前の寝顔が、すっげえ可愛くてさ……なんだか、起こしたくなかったんだ。 そしたら、扉閉まっちゃって。 もういいかって、なっちまった。 ごめん」
全然、ごめんって顔じゃない。 そもそも、彼は常に無表情だから何を考えているのかさっぱり分からない。 なんだよ、僕の寝顔が可愛いだなんて。 しかもそれが理由で起こさなかったとは。
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アイト - 好きな感じの、話です！続き、待ってます。頑張ってください！ (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
かやん(プロフ) - けいとるさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: fbec895554 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 面白いです！ 頑張ってください 応援してます!! (2017年9月26日 20時) (レス) id: a21381c293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやん | 作成日時：2017年9月24日 15時
