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「白水？」
その低い声に、僕は肩を震わせる。 ガヤガヤとした駅の中、確かに聞こえた、1番聞きたくなかった人の声。
「……轟じゃん」
「今日はクラスの奴らとショッピングモール行ったんだってな。 帰りか？」
「うん」
返事がしどろもどろになる。 なんでこいつ、こんなにも普通に喋っているのだ。 僕は気まずくて仕方がない。 なんせ、僕はこの1週間ほど、彼とまともに会話していないのだから。
あの放課後から、僕は轟を避けるようになってしまった。 轟は、僕に普通に接そうとしてくれたが。 僕はいたたまれなくって、静かに避けてしまった。 人の気持ちに気づかない僕にも、人の身になって考えるぐらいはある。
電車に乗ると、空いてる席が2つあった。 僕と轟はそこに座る。 人はそこまで多い訳ではなかった。
「緑谷達は？」
「まだ、ショッピングモールだよ。 僕はちょっと早めに帰ろうかと。 轟は、なんでここに？」
「母さんのお見舞い」
「そっか」
内心気まずい思いをしながらも、なんとか普通の会話を成り立たせる。 カタンカタンと電車が揺れる。 車内にいる人たちは、本を読んだりスマホをしたりで辺りはしんとしていた。 心地よい揺れと静けさ、そして慣れない人混みに疲れた僕は、段々瞼が重くなって来るのを感じた。
「白水？ 眠いのか」
「少し」
「降りる駅は」
「南雄英駅……」
「俺もそこだ。 起こしてやるから、寝てていいぞ」
「いいの？」
「ああ。 肩、貸そうか」
「ううん、いい。 さんきゅ」
僕は轟の言葉に甘えて、首を下げて寝る体勢をとった。 電車の揺れは、あっという間に僕を睡眠の世界へと誘って行く。 轟は、どうしてこんなにも僕に優しいんだろ。 気まずくて、避けちゃうような弱虫な僕に。 頭の隅で、そう思った。
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アイト - 好きな感じの、話です！続き、待ってます。頑張ってください！ (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
かやん(プロフ) - けいとるさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: fbec895554 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 面白いです！ 頑張ってください 応援してます!! (2017年9月26日 20時) (レス) id: a21381c293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやん | 作成日時：2017年9月24日 15時
