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僕は恐れている。 2人が万が一にもくっつく事を。 出久は僕を悪役にしちゃうのだ。 純粋な目は、僕を嫉妬まみれのヴィランへと変える。 僕ってひょっとして、ヒーローじゃなくてヴィランだったのかな？ だとしたら勝己に倒されたいな。
駅で電車に乗る。 今日も今日とて満員電車、疲れきったおじさんから化粧くさいOLまでギュウギュウに乗り物に詰められる。 隣の中年男性が、鞄を両手に万歳していた。
可哀想なものである。 痴漢だと疑われないように、満員で不快な中万歳しなくちゃならないのだ。 疲れているだろうに。 僕もあと20と数年したらこんな事しなくちゃならないのかと思うとうんざりする。
大体、性犯罪者が欲望に負けて女性を触ったりするから、僕ら男は苦労するはめになるのだ。 僕は、そんな人にジジくさく説教をしてやりたいと思った。
痴漢はダメって分かっているのに、なんでそうなるんだろう。 人をそうさせる何かが、僕ら男にあるのだろうか。 僕は目の前にいる女子高生を見たって、何も感じやしない。 太ももを触るだなんて、もってのほかだ。 触って、何が楽しいんだ。
「きゃあっ痴漢！！」
いきなり、目の前の女子高生が叫んだ。 僕はえっ、と硬直した。 痴漢だって？ 僕、彼女の後ろにいたけど全然気づかなかった。 と思った矢先、女子高生は後ろを振り向いてきっと睨み、僕の手を掴んだ。
「痴漢です！ この人！」
「は？」
間抜けな声が出た。 周りがどよっとざわめく。 僕が、何だって？ 痴漢？ 有り得ないだろ？！ 僕は確かに後ろにいたけど、彼女に指1本すら触れていない。
そうこうしている内に電車が僕が降りる駅に着いた。 僕はとにかく逃げようと、人混みをかき分けて電車を降りる。
「待ちなさいよっこの痴漢！！変態！！」
女子高生は僕の手をギリギリと掴んだまま電車を降りてきた。 大声で叫ばれて、ホームにいた人が一斉に僕を見る。 僕は困った。 訳が分からない。 僕はこんな女になんか興味ないのに。
「違います、僕じゃないです！」
「やった人は皆そう言うのよ！ さっきから私の胸やらお尻やら触って！ 観念しなさい！ 警察に突き出してやる！」
女子高生は僕を駅員さんの所へと引っ張っていこうとする。 彼女の個性なのか知らないが、男の僕が抵抗してもずるずる引きずられるほど、強い力だった。 このままじゃ冤罪で捕まる。 僕が半泣きになった時だった。
白く骨ばった手が、僕の腕を掴んだのだ。
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アイト - 好きな感じの、話です！続き、待ってます。頑張ってください！ (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 28880c114b (このIDを非表示/違反報告)
かやん(プロフ) - けいとるさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！ (2017年10月2日 19時) (レス) id: fbec895554 (このIDを非表示/違反報告)
けいとる - 面白いです！ 頑張ってください 応援してます!! (2017年9月26日 20時) (レス) id: a21381c293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやん | 作成日時：2017年9月24日 15時
