すきって伝えたらきみは（桃）Part2

57:) 俺はいい奴だなんて言えなかった−−望side ページ21

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今年初めて、A以外の奴と祭りに行った。




隣を見れば、Aではなく 陽麻がおった。





そん時俺は、どこか違和感を抱いていた。

隣に楽しそうに笑ってるAの姿がないから。







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陽麻『望くん』







望『ん？』







陽麻『別れよう』







望『……』







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花火が打ち上がったのと同時に、陽麻の口からその言葉が出てきた。





でも何故か俺は、悲しくもなんともなかった。






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陽麻『望くん、ほんまは私のこと好きじゃないやろ？』






望『…え、？』






陽麻『私にはわかる。

望くんは、他に好きな人がおる。……でしょ？』







望『……いや、』







陽麻『……ふふっ笑 まだ気付いてないんやね。


ま、いいや。望くんには他に好きな人がおるから私は諦める。だから別れよ。』







望『……』







陽麻『それにね、私。ほんまは最低な人なんよ。』








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俺は、この時Aみたいに、言えばよかったんやろうか。





いい奴か悪い奴かは俺が決めるって。







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いや、俺にはきっと言えへんかった。






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陽麻『望くんに近づきたくて、同じ委員会に入って。

このままやったら望くんと付き合えるって。』







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だって、コイツは。







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陽麻『友達に自慢したくて付き合っただけなんだ。』







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陽麻『鈴ちゃんから、望くんを離れさせようとした。』






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本当に最低な奴やったから。

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