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「あ!いたいた!今日はよろしくね、七海君」



「…よろしくお願いします」



仏頂面の新入生、七海君は軽くお辞儀をしてそう言った。

新学期が始まって約1ヶ月。とうとう新入生は実戦の時期に突入した。灰原君を見るのは別の術師だったけれど、七海君の受け持ちはなんと私。

こんな弱っちい私がなぜ選ばれたかと言えば、答えは消去法である。

五条君と夏油君が着いていっても、実力差が新入生とありすぎるのだ。2級未満である術師は、基本例外でない限り2人以上で任務を遂行しなければならない。しかし五条君、夏油君がついていってしまえば、実戦の意味は無い。

ということで、実力差が近い私が、七海君の初任務にお供することに。


ちなみに、五条君は超ごねた。

「はぁ〜?なんで1年と先輩が行くわけ?別のヤツで良くね?てか浮気じゃね?それ」

「んなわけないでしょ!任務任務!」

その様子を七海君に冷たい目で見られたのは、言うまでもない。




「七海君には悪いけど、私は本当に弱いから…期待しないでね」



「はぁ」



「頼りないかもだけど、頑張るから」



「はい」



んー、つれない!大方、五条君の恋人という肩書きが七海君にとって重いのだろう。というかそうであってくれ、私が嫌いなんじゃないよね?

内心ドキドキしながら、補助監督さんの車に並んで乗る。

会話があまりにも無さすぎて、思わず口を開いた。



「な、七海君はお米派?パン派?」



「はい?」



「他意はないよ、みんなに聞いてるんだ」



「…まぁ、強いて言うならパンです」



「へぇ!ちなみに灰原君はお米だって。今度美味しいパン屋さん紹介するね、というか帰りに寄れるかも。そこのカレーパン美味しくてね、あー、後クロワッサン!」



「……帰りに」



「うん、帰りに寄ろう。てか何が好きなの?パンの中でも」



「カスクート、というものは知っていますか」



「…えっと、名前だけ」



「日本では、フランスパンに具を挟んだもののことを指します」



「サンドイッチみたいな?」



「はい。それが好きです」



「ほへぇ…また随分洒落たものを。美味しそうだねぇ」



なんだ、思ってたよりずっと話してくれる。警戒心の解けた猫みたいだ。
もしかしたら、私という人間を勘違いされていたのかもしれない。怖い怖い先輩じゃなくて、実はこんなにも普通の人間なんだよ、私。

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作者(プロフ) - みぃさん» コメいただいていたのに気づかなくてすみません‪‪💦‬ありがとうございます!頑張ります! (11月12日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初コメ失礼します!このシリーズの作品がすごい好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (11月6日 14時) (レス) id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます🥰更新頑張ります! (10月9日 22時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも応援しています (10月9日 18時) (レス) @page4 id: 8f5e3bc927 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2023年10月9日 14時

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