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「…ほんと、羨ましい信頼関係だなぁ」
気づいたら口にしていた一言に、家入ちゃんがぴくりと反応する。
「クズ共がですか?」
「うん」
肯定すれば、家入ちゃんはちょっと驚いた顔をして私に言った。
「先輩にも羨ましいとかいう感情あるんだ」
「エッ、なに、そんなに冷たい人間に見える…?」
「んー、だって、なんか嫉妬とかしなさそう」
「なるほど…?」
嫉妬か、いや嫉妬って、不安になるからするんじゃん。
五条君のあの態度的に未だ私にベタ惚れ中だし、仮に五条君が他の女の子を好きになったとしても、私は潔く別れようとしちゃうだろう。
なぜならそれぐらい、私も彼が好きだからだ。五条君の好きにしたらいいと思ってる。それに、今後彼が誰を好きになろうと彼の初恋は私だった事実は消えないのだから、それだけで十分。
そうやって、終わる前提で話してるから嫉妬もクソもないんだよなあ。
「…いや、流石にちょっとはするかな。モヤッとはする」
「してくんないと五条が怒りますよ」
「確かにぃ」
前言撤回。ちょっと辛いかも。
そんなこんなで恋バナとも言えない話が始まろうとした時、不意に部屋の扉がバンッと勢いよく開いた。その先に立っていたのは、灰原君と七海君。
「Aさん!」
「AじゃなくてAって呼んでほしいな、灰原君」
「Aさん!一緒に沖縄行きますよ!」
「…はい?」
okinawa、オキナワ、沖縄ってあの沖縄?
唐突な一言に思考を停止していれば、灰原君の後ろから七海君が顔を覗かせる。
「灰原、説明が足りない」
「あっ、そっか」
「えぇっと?説明されても納得出来なさそうだけど大丈夫そ?」
「してください、急ぎなので」
急ぎ。沖縄に急いで行きたくなんかないけど。
日本有数の観光地に急ぎで行くということは、恐らく任務。なんでそんなところに私達が行くのかわかんないけど、ちょっとやだなぁ。
「五条さんと夏油さんに呼ばれました!」
「…えっ、ほんと?なら行きたいかもー!」
「……バカップル」
そりゃそうなるでしょ、こっちだってベタ惚れなんだよ。
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作者(プロフ) - みぃさん» コメいただいていたのに気づかなくてすみません💦ありがとうございます!頑張ります! (11月12日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初コメ失礼します!このシリーズの作品がすごい好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (11月6日 14時) (レス) id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます🥰更新頑張ります! (10月9日 22時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも応援しています (10月9日 18時) (レス) @page4 id: 8f5e3bc927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年10月9日 14時