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「…ごめん先輩。強くなれないは、流石に嘘」
五条は深くため息をついて、そう言った。
先程の五条君の台詞を思い出す。
『これ以上はほとんど強くなんねぇよ』
私の術式の話だ。自分の限界点はここかと思いきや、そうでは無いらしい。
「六眼で見た感じ、サポートとしては十分活躍出来る術式」
「ほ、ほんと?」
「今はまだ無理だろうけど、そのうち」
「そのうちっていつ?ねえ、私、役に立てるの?」
五条君を捲し立てれば、顔を顰められる。
「そんな嬉しいの?」
「そりゃそうだよ!私、役に立ちたい!じゃなきゃ生きてる意味ないでしょ!」
今度は凄く驚いた顔をした。そしてまた、ため息をつく。
何かおかしなことを言っただろうか。
五条君のころころと変わる表情を眺めながら不思議そうに眺めていると、不意に襟元を掴まれた。10秒ぐらいだろうか。苦しい。不快感に身を攀じるも私の力ではどうにもならない。
なんとかつま先は床に着いているが、いつ浮いてもおかしくなかった。
「ごじょ…っ、やめ」
「…これにすら対応出来ないのに、術師やろうとしてんの?」
パッと離され、床に倒れ込むところを腕で支えられる。息を整えようとする間にも、五条君は話を続けた。
「強くなる過程で死ぬ可能性だってあんじゃん。むしろその方が多い。なのに先輩は役に立ちたいとか言っちゃってさ。例の怪我からぜんっぜん反省してないのな」
「はんせ…してない…って、言ったじゃん…」
「知ってる、覚えてる。…そのうえで、俺に心配していてねとかほざいてんなら、なんで伝わんねぇんだろとすら思う」
私を支えている五条君の腕を握って自分の力で立とうとしたら、私の顔を両手で掴んで無理やり目を合わせてきた。
サングラス越しに見えた六眼は、まっすぐ私を射抜いている。
「俺さ、今までこんな考え方したこと無かったわ。適材適所で強い奴が然るべきところで活躍出来りゃいいじゃんとか思ってた。
けど、先輩が先輩自身に無関心だから、俺が面倒見なくちゃって、俺が先輩にブレーキかけてやんなきゃ、どこまでも行っては死にかけるだろ。だから嘘ついてでも先輩には術師やめてほしかった」
「…熱烈だなぁ」
「ベタ惚れだよ。な、ガチで
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作者(プロフ) - みぃさん» コメいただいていたのに気づかなくてすみません💦ありがとうございます!頑張ります! (11月12日 17時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初コメ失礼します!このシリーズの作品がすごい好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (11月6日 14時) (レス) id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます🥰更新頑張ります! (10月9日 22時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!これからも応援しています (10月9日 18時) (レス) @page4 id: 8f5e3bc927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年10月9日 14時