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「…やっぱ怒ってね？」
「エッ…そう見える？」
五条君はバツの悪そうな表情で私の顔を覗き込んだ。澄んだ青空のような綺麗な六眼が、全てを見透かすようにこちらを向いている。
「怒ってるつもりはないんだ」
「ないよ、全く。どちらかというと失望に近いかな」
「…ごめん」
「言ってくんなきゃ死んでたんでしょ、私。なら謝らないで」
五条君はその一言を聞いて、私の肩に頭をうずめた。
なんだかまるで許されたがる子供みたいな仕草に、普段は届かない位置にある頭をさらりと撫でる。
白い髪は癖がなく、羨ましいぐらいだ。
そんなことをぼんやり考え、少し間を置いた後、直球に聞いてみた。
「五条君、なんか隠してるでしょ」
｢…え｣
五条君の額の生え際からグイッと髪をかきあげて、顔を私の肩から離す。
信じられないと言いたげな表情で、五条君は少し青ざめていた。
｢あー、当たり？｣
｢え、いや｣
｢なめてるなぁ？私の事｣
可愛い可愛い五条君の、頬を撫でて、姿勢の悪くなりそうな体勢を押し返して元に戻させた。
これだけ焦る五条君を見るのは、いつぶりだろう。
｢そんな顔しないで。怒ってないよ、怒ってないけど、久しぶりに先輩面がしたくなったんだ｣
少しいい気分でそう告げれば、五条君は開いた口が塞がらないまま｢えーっと｣なんて吃る。
彼は嘘をついている。どんなものかは想像しか出来ないけれど、仕草からそれを感じ取れた。
五条君は、酷く私の機嫌を伺っていたのだ。
普段は、機嫌をとることを徹底するのに。
とるのではなく、伺う。つまり、私が傷ついたり、怒ったりすることを怖がった。それが、あまりにも不審に見えたのだ。
｢言ったでしょ、私の家系は代々色仕掛けで生き残ってきたって。そのせいで相伝の術式とかないけどさ。君よりもずっと、対人話術諸々は優れているんだよ｣
｢…｣
｢何を隠したの？教えてよ、先輩に｣
五条君は百面相をしながら、言うか言わないかを必死に迷って、けれど観念して口を開いた。
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作者(プロフ) - みぃさん» コメいただいていたのに気づかなくてすみません💦ありがとうございます！頑張ります！ (11月12日 17時) (
レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初コメ失礼します！このシリーズの作品がすごい好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (11月6日 14時) (レス) id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます🥰更新頑張ります！ (10月9日 22時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！これからも応援しています (10月9日 18時) (レス) @page4 id: 8f5e3bc927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2023年10月9日 14時
