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「いっ…たぁ！」
「今の蹴りのつもりかよ。よっわ」
「…煽んないでよ」
とある日の午後。
五条君はようやく、私に体術を教えてくれていた。
ずっと「教えてね、よろしくね」と頼んできたのだが、のらりくらりと躱されていた状態だったのを、なんとか頭を下げて確保。
今はちょうど、五条君に「試しに蹴り入れてみて」と言われたので、腰あたり目掛けて足を当てたところなのだが。
「五条君の身体は岩か何かなの？ビクともしないじゃん」
「鍛え方が根本的に違ぇし、今まで体術サボってたのは先輩じゃん」
「いやそれはその…どうせ術師辞めると思ってたからさ」
言い訳もそろそろやめたい。こんなことなら真面目に鍛錬しとくべきだった。術師の生死は肉体の強度に大きく左右されることなんて百も承知だったのに。
「うーん、まさかこんなに前途多難だとは…前線に出るなら流石にこのままだとまずい。相手の人に迷惑かけちゃう」
「ふーん、そんなこと考えてたんだ」
「ずっと言ってるじゃん」
「いや、そーだけどさ」
五条君は私の手を掴み、指を弄る。人差し指を摘んだり指の腹を撫でたりしながら話は続いた。
「…本音言っても怒んねぇ？」
「時と場合によるけど、どうぞ」
「術師やめてよ、先輩。そんで、
五条君は私の指を弄り目を合わせないまま、淡々とそう告げてきた。
まさかそんなことを言われるとは思わなくて、口を開いては閉じてを繰り返してしまう。
沈黙の後、ようやく声が出て、疑問を投げかけた。
「…なんでそう思ったの？」
「普通に、先輩はこのままじゃ死ぬと思うから。これ以上はほとんど強くなんねぇよ。仮に術式の覚醒があったとしても、先輩の猫はサポート型だろ」
「だから、君に体術を習いに来たんだけどなぁ」
「才能ない、はっきり言って。先輩は術師向いてない。だから、卒業したら五条家に住めばいいし、それが無理なら窓とか、できて補助監督か……ごめん、怒ってる？」
「いや、怒ってはないけど…そんな機嫌伺わなくていいよ。むしろありがと、話してくれて」
正直、作り笑いすら出来なかった。
あぁそっか。五条君にそう言われるってことは、私本気で向いてないんだ、術師。
結構頑張る気になってたんだけどな。
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作者(プロフ) - みぃさん» コメいただいていたのに気づかなくてすみません💦ありがとうございます！頑張ります！ (11月12日 17時) (
レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初コメ失礼します！このシリーズの作品がすごい好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (11月6日 14時) (レス) id: 01aa01ae14 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 皐月さん» ありがとうございます🥰更新頑張ります！ (10月9日 22時) (レス) id: 989ab1f730 (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！これからも応援しています (10月9日 18時) (レス) @page4 id: 8f5e3bc927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2023年10月9日 14時
