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「ごめん、君、仕事で呼ばれた」
「ふーん、そ、お疲れ様です?」
席に戻り、五条悟に短く伝えると、興味無さげにそう返事をされた。私は財布を漁り、その中から1万円札を抜いて机の上に置く。
「これで私の分も払っておいて」
「…は?いや、こんな要らねぇだろ」
「お釣りはご自由にどうぞ。それから…そうだ」
この世界の五条悟は、最強では無い。彼にナイフが当たればそのまま死ぬだろうし、交通事故に合えば無傷で済む確率は前よりずっと低い。信じられないけれど、それが今の彼である。
そして私は、そんな彼よりずっとずっと、強い。
前世で君がしてくれたように、私も真似てみたかった。
「これ、私の電話番号」
ボールペンで雑に書かれた数字の羅列を、お札の上に重ねる。意味がわからない、と言いたげな五条悟に笑いかけて、言う。
「命の危険があれば、迷わず連絡を。じゃあ、今日はいい時間をありがとう。また会えるのを楽しみにしてる」
「え、いや、ちょ」
大股で店を闊歩し、おばちゃんにありがとうとだけ告げて、私は再び外に出て任務へと赴いたのだった。引き留めようとする五条悟の言葉を後にして。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時