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「ココ、拉麺も上手いって知らなかった」
私がご飯を完食したあたりで、ぽつりと、五条悟がそう呟く。その言葉に厨房の方からおばちゃんが大声で返した。
「五条ちゃんが炒飯ばっか頼むから!」
「だって炒飯がいっちゃん安いし」
「たまには他のも食べて欲しいわ〜、それこそ青椒肉絲とか」
「ムリムリ、炒飯より200円もたけーし」
仲良さそうに離す2人を微笑ましく思う。常連なんだな。
ふと、気になっていたことを五条悟に尋ねた。
「ね、節約してるの?」
「させられてんの。俺、ワケあってビンボーだから」
「へぇ、お金持ちっぽいのに」
「…まぁな」
意味深に目を逸らされる。「本当にワケありで貧しい」ということがなんとなく読み取れた。元々の家柄はやはりいいところなのだろうか。それこそ、前世の御三家のように格式の高い家とか?
この世界の御三家は、五条の名が含まれていない。禪院も、加茂も。前世の御三家の次に名高いとされていた家が、この世界の呪術トップ層である。私はどれにも属してはいないが。
「じゃあ今日は沢山食べれて良かったね。炒飯単品じゃお腹すいちゃう」
「わざわざ定食にするとか、貴族のすることだろ。その点、オネーサンは迷わずお値段高めの青椒肉絲の定食か」
「まぁ私、お金に困ってはないからね」
「へー、羨まし」
苦い顔をして、また麺と向かい合う五条悟。お金に困っていないのは本当だ。使っても使っても有り余るほど、私は稼いでいるし、正直あまり使っていない。
どうせなら大きな山1つでも買ってみようか。それか別荘?
…どちらもきっと、使わないで終わるだろう。無駄遣いこそ勿体ないから、やはり貯金ということで。
そんなくだらないことを考えていると、不意に私の携帯電話の着信音が店に鳴り響いた。
五条悟に「ごめん、仕事だ」と告げ、店の外にまで出る。
「こちらA、名前と要件を」
「お疲れ様です、Aさん。◯◯です。例の件の調査が完了いたしました!報告しましょうか?」
例の件、とは、調査を進めるまで待機とされていた任務の話である。ここまで早い仕事をしてくれるとは思っていなかった。
「報告はそっちで聞きます、貴方はそこで待機を」
「承知いたしました!お待ちしております!」
元気よく返事をした補助監督との通話を終え、軽く背伸びをする。どうやら、ここまでのようらしい。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時