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｢なんだよ、これ｣
顔を歪ませながら問うと、AAは申し訳なさそうな表情で謝った。
｢ごめん。君に見られたくなかったんだけどね。今日の相手が相手だけに口を割らなくて｣
｢…何言って｣
｢お風呂入りたいなぁって話。血ってなかなか落ちないから服も捨てたいし｣
血、と言った。
じゃあその大きな染みは、誰かの血液を被ったということになるのだろうか。
じゃあ、お前は、人を。
そこまで想像して、胃の中の物が一気に喉元まで戻ってきた。
口元を急に押さえだした俺に異変を感じたAAが、｢ま、待って、ちょっと待ってね！？｣と一気に上着を玄関に捨てる。
そして靴下を脱ぎ、急いで家の中に入っていく。
数秒後、ビニール袋を持って現れ、俺の顔の下に袋口を開いて構えた。
そのおかげで、俺は床にぶちまけることなく、まぁ、吐けたわけだけど。
吐瀉物を袋に溜め込む情けない俺に、AAは柔らかい声色で語りかけてくる。
｢ごめんね、大丈夫？全部吐いちゃいな｣
｢…っ｣
｢慣れないとそりゃキツいよね、ごめん、ごめんなさい。君が一般人なのをすっかり忘れてた｣
吐いたせいか、先程の臭いはもはや感じない。ただただ気持ち悪いのだけは分かる。久しぶりに吐いた。最悪だ。
｢どうしよう、洗面所行こうか。歩ける？｣
AAの言葉に頷いて、背中をさすられながら洗面所へと辿り着く。
そこからは、ほぼ看病に近かった。慣れた手つきで色々なものを片付け、用意していく。
されるがまま世話をされ続け、落ち着いた頃には俺も椅子に座って、なんとかAAと目を合わせるところまで回復した。
｢落ち着いたかな。本当にごめんね｣
｢別に｣
AAはタオルを絞りながら話す。その腕は見るからに引き締まっていて、呪術師の仕事がハードであることを知らしめていた。
｢久しぶりに、そういう仕事が回ってきちゃってね｣
｢…あの血って｣
｢呪詛師のだよ。まぁ、情報を吐かせる仕事｣
つまりそれは拷問なのでは、とは流石に聞けない。
ただ、どうしてもはっきりさせたくて、勇気をだして一つ聞いた。
｢人、殺したのかよ｣
｢…ううん、それは私の仕事じゃないからね｣
｢…あっそ｣
その一言に、酷く安心する。
いや多分、含みのある言い方的に、人を殺すこともあるのだろう。
ただ、そんな一面を見たくないと、子供みたいに思う自分がいた。
殺しなんてすんなよ、バカ女。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (
レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました！これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります！ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです！これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2024年2月18日 0時
