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「ただいまぁ」
あえて脳天気な声で玄関から声を発す、午後19時37分。
1週間ぶりに帰ってきた家のリビングに辿りつけば、そこでは五条悟がテレビをつけてくつろいでいた。
「…おかえり?」
「うん、ただいま。いーな、今1番バラエティ面白い時間帯でしょ、ご飯食べながら私も見る」
「…飯はテーブル。てかお前、テレビ見る文化圏の人間だったのかよ」
「いや、君は私をなんだと思ってるの…」
苦笑いをしながら面倒くさいのでキッチンで手を洗い、大きく伸びをする。そして、持って帰ってきたビニール袋をソファに座る五条悟の後ろから差し出した。
「なにこれ」
「実は今回、仙台行ってきたんだ。その中には喜久福入ってるよ。甘いもの好きでしょ?あげる」
五条悟は私のその発言に、首を傾げながら言う。
「俺、甘いもんが好きってアンタに言ったことあったっけ?」
「あっ」
やばい、やらかした。今世の五条悟が甘党だと自称したことは1度もない。前世の記憶をそのまま頼りにしてお土産を買ってきてしまったのだ。なんという失態。
「…顔に書いてあったからさ、つい」
「なんだよそれ」
「鏡で見てみるといいよ、君の右頬辺りにたぶん書いてある」
「つまんねーギャグやめろ。あれ?この前言ってた“好きな人”と俺を間違えた的なやつ?」
冗談っぽく五条悟が意地悪く笑った。一方、絶妙なところを突かれた私はピクリと固まって動けなくなる。
そんな私の様子に、五条悟は眉を顰めた。
「…ガチ?」
「……んなわけないよ。君も悪い人だなぁ。死んじゃった人土俵に出して」
「…あっそ」
少し窘めるように言えば、不機嫌そうにそう吐き捨てて、テレビへと視線を戻す五条悟。ちょっと険悪な空気になってしまった。いやしかし、誤魔化せたのならよしとしよう。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時