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「…夏油くん」
あの頃とは違う、頼れる同級生の君にではなく、大人として子供の君の、名前を呼ぶ。
夏油傑は顔を上げ、私の目を見た。
「ありがとう。君は善い人だね。君が五条くんの親友なら安心だ。将来の夢も叶えつつ、楽しい人生を送ってね」
「…は、はぁ。……え、将来の、夢って」
「あれ?お笑い芸人じゃないの?」
「えっ、あ、いや、そ、そうですけど…悟、言ったんですか」
恥ずかしそうに困った顔をして、耳から頬へと赤く染まる夏油傑。
どうやら、お笑い芸人になりたいことを知られるのはなかなかに恥ずかしいらしい。
「そんな照れなくても…ふ、ふふ、あはは、ほんっと意外だなぁ君たち」
何度思い返しても、前世で現代最強を謳っていた呪術師と史上最悪の名を与えられた呪詛師が今世でお笑い芸人って変なの。その状況自体が笑えてくる。
そうしてわだかまりがとけ、その後は少しだけ夏油傑とお茶をして、解散という流れになった。もちろん、お金に困っていないアピールをしたからには私が奢った。 大人として当然である。
「(…にしても、五条悟も夏油傑も前世の記憶はまるっきりないのか。夏油傑に関しては、てっきり地獄にでも落ちてるのかと思ってた)」
私と彼らの違いはよく分からない。なぜ私だけ、まだ呪いと関わっているのだろうか。
考えるだけ無駄とはいえ、少し虚しさを覚えたのは仕方の無いことだと言える。私も、何も無いまっさらな状態で君たちにもう一度会えたら良かったのに。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時