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「お金の必要なことなの?」
ふと、そう尋ねてみた。また意味深な反応を見せる五条悟に、思わず笑ってしまう。こんなにも分かりやすいのはどうかと思うけど。
「金が、必要っていうよりは…金になるまで時間のかかることをしたい」
「なるほど?それは絶対に、後々稼げる?」
「ぜったい、じゃない、デス」
「…ふふ、そっかあ、絶対じゃないのかあ、あはは」
自信を無くしていく様子が面白い。
「それを親御さんに伝えたら、勘当されちゃったのね。
よし、じゃあわかった。私にちゃんと何をしたいのか言ってくれたら、私が直々に支援してあげる」
「…は?」
足を組んでからそう告げると、五条悟は信じられないと言いたげな表情でこちらの顔色を伺った。私はふざけていない。使っても使っても余るほど、金だけはある人間だから言える。これは自慢でもなんでもなく、事実だ。
「君が十分実力を発揮できる環境を作るお金を用意すればいいんだよね。私が払うよ」
「な、んで、そんな話に」
「君が、自分のことを話してくれないから」
「い、いやいい、ガチでいい、それならちゃんと言う、言うから」
「あら、そう?」
五条悟は意を決したように口を開く。それからまた口を閉じて、10秒ほどの沈黙の後、渋々言った。
「…芸人、に、なりたい」
「……え?」
「俺のダチと2人で」
耳を赤く染めて俯く姿に、私はこれが夢なんじゃないかと疑う。
いまなんつった?芸人?
あの、五条悟が?
「ち、ちょ、ちょっと待って。え、ちなみにお友達って」
「…夏油傑」
「おっとぉ?」
マジか、ちょっと整理しきれないな。前世で特級術師として名を馳せていた問題児2人が、今世ではお茶の間を沸かすってこと?
いや、それは流石にさあ。
「…ふ、ふふっ、ひっ、あはは!」
「…やっぱ笑った」
「ちょ、ほんとタンマ!お腹いたい!」
そんな世界線があってたまるか!
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時