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「嘘くせぇ〜…」
「あはは。…ごめん、足痛いよね、今治す」
五条悟にそれだけ告げて、私は彼の足に触れた。裾の破れたズボンから見える腫れた足に、反転術式を使う。
私の「治す」という言葉に何を言っているんだという表情を浮かべて訝しげな眼差しを向ける五条悟。しかし、自身の怪我の痛みが和らいでいくのを実感したのか、目を大きく開けた。
「な、なん、え?なんだよ、これ」
「反転術式」
「はん、て…は?」
「治癒してるの。諸々の説明は全部終わってから話すから。どうせもう、ここまで来たら“こっち側”と無関係にはなれないだろうしね。君の呪力の量や質が以前と違うのを見ると、多分、呪霊も式神も見えるんじゃないかな」
「まっ、待てって、何言ってんのか全然追いつかない、んですけど」
急に敬語で私の服を片手で掴む五条悟。混乱しているようだ。だが本当に時間が無いから、今説明は出来ない。
「…ここも時期に壊れる。ちょっと失礼するよ」
「うわぁ!?は!?」
私は五条悟の腰と膝裏に手を添えて持ち上げる。所謂“お姫様抱っこ”をしたことによって少し暴れる五条悟を窘めた。
「ごめん、首に手を回せる?落としたくないからさ」
「いやっ、あの、さぁ…!?俺、これでも身長高ぇし体重もアンタより重いはずなんだけど!」
「それはそうだね。でも平気だから」
「そもそも、なんで持てるんだよ…!?」
「呪力で強化してるから。ほら、ちゃんと捕まっててね」
そうして私は、ベランダから五条悟を連れて部屋を脱出したのだった。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時