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「(この式神、呪力量の多い生き物から狙うじゃん。さっきから私だけ集中攻撃されてる)」


攻撃を避けながら人のいない方へと誘導し、隙をつく機会を伺っている中、ふとそんなことに気がついた。無差別に攻撃しているのかと思ったが、呪力がより濃いものを追う性質らしい。

周囲の人達を気にせずに術式を使えば簡単なのだが、さすがにまだ避難が完璧とは言えないから使わないでいる。あるいは距離を詰めれば術式範囲内を最小限に留めて発動出来るから、そうするか。でも敵は上空。五条悟みたいに空飛べたら良かったんだけど。

屋根の上を走りながら、次に武器として使えそうな物を探した。こんなことなら呪具の1つや2つ持ってくれば良かったと後悔。というか、呪具じゃないもので立ち向かえるほど式神は柔くないので、一旦呪力を抑えて様子を見た方がいいな。

攻撃と攻撃の間のタメを狙って、私は一気に呪力放出量を減らして、目に入った家屋のベランダに入った。

申し訳なさを感じながらも窓を割り、侵入する。良くも悪くも普通のアパートのようだ。それならまぁ、修理費もそんなに。街は今更お金の心配しても意味ないぐらいの惨状けど。

どうしようかな。なんとか地上まで引き寄せられたらいいんだけど、降りてくる気配は無いし。やっぱり術式を使っちゃいたい。


そんな風に悩みながら部屋の中を進むと、ふと隣の部屋から生き物の呪力の気配を察知した。


私はその呪力を、知っている。



「…まさか」



すぐさまベランダに飛び出し、隣の部屋のベランダに飛び移った。そして同じようにガラスを割り、急いで部屋の中に飛び込む。

中ではタンスが倒れ、あちこちに物が散らかっていた。そして、そのタンスや落ちてしまっている本の下から、人肌が覗いている。


直接その姿を、呪力を見て確信した。間違いない、彼だ、あの人だ。


潰されているその人は私がガラスを割った音に「誰か、いんのか」と声を上げる。その声は、前世で何度も聞いた大好きな声だった。


「…いま。今、助けるよ、力抜いて」


「……」


倒れているたんすを持ち上げると「痛っ」と言われて焦る。潰されていた足は赤く腫れていて、見ているこっちが痛そうだ。

体にかぶさっていた本も退けると、ちゃんと顔が見えた。白髪の、青年。


「…あんた、この前の」


目を見開いて、私を見上げたその顔に、泣きそうになるほど安心したのは許してほしい。

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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇‍♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時

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