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ココ1、2年の間で呪術界を騒がせている呪詛師集団がいる。彼らは追跡を撒くのが上手いせいでよく逃げられてしまうのがなかなかに厄介だったのだが、長い時間をかけて調査し、だいぶ色々なことがわかってきた。
まだ不明瞭な点は多いが、こちらとの戦力差を考えてこの間の会議で「次は捕まえる」と決まり、多くの人間が携わって準備が進んでいる。
呪詛師達は今回で3回目となるテロ予告をしてきていた。毎回毎回内容が違うのだが、今回は「街に式神を放って非術師を見境なく襲う」などと脅迫してきているので易々と許す訳にはいかない。
しかし、いきなり私、“AA”が出しゃばれば呪詛師集団のボスに逃げられてしまう可能性があった。というか、1、2回目もそうだった。ので、私が動くのは敵の動きが分かってから。特に大本命が現れるまでは待機との事。
「いやぁ、上手くいくといいですね〜」
「はい。まぁ大丈夫だとは思いますけど、未だにボスの情報が不確定なのがなんとも」
「だから、100%の実力を発揮できるAさんをこちら側からは当てたいってことですか」
「そうみたいですね。恐ろしいのは、その直前まで私は他の任務に回されるという…」
「ひえ…社畜だ」
またもや送迎の車に乗って、補助監督と雑談をしている私。
今呪術界では、例の呪詛師との対立という話題で持ち切りだ。勝つ気満々の高専側としては、面白いスポーツの試合を見ているのと同じ感覚なのだろう。確かに私としても負けるとは思っていないが、普通に人は死ぬので外野も真面目に見ていてほしい。
「Aさん、ほんとに、疲れた時は休んでくださいよ?我々Aさん以外の日本人は、貴方がいないと明日の生死すら保証されないんですから。体調壊す前にぜひ」
「うーん、それは私がいてもいなくてもじゃないかと」
「いやいや、全然違います。Aさんにしか出来ないことだらけですよこの世は」
「そりゃどうも…?」
最近、自身の強さを褒められる機会が多い気がする。しかしまぁ褒めてくれるのは嬉しいのだが、休める時に休めと言われると困る。私が休んだ穴を埋める人材が今のところほぼゼロに近いのがネックだ。いや、実を言うと奥の手があるっちゃある。けれどあまり公に晒したくはなかった。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時