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進行役が決意を固めた表情でそう告げると、中央の方にいた初老の術師が声を上げた。
「もし、呪詛師の実力が特級以上だった場合、どうするんだ。我々じゃどうしようもない。死ねと言われて死ぬのはごめんだな」
この人は何度も口を挟む、少々うるさい男だ。進行役は顰めっ面で反論する。
「たらればを語っている場合ではないんですよ。それに、私達にはAさんがついている」
飛び出してきた不満を、会議の進行役が私の名を出して抑え込んだ。そしてその場の全員の視線が、私に集中する。
全員、私の喝を入れる言葉を待っていた。大体こう言う大掛かりな任務は、最後に私が一言話すのだ。こんなちゃらんぽらんな人間がまとめるのもどうかと思うが、どうやらそれが皆にとっていいらしい。
「えー…敵の情報はかなり分かってきたにせよ、不測の事態はいつだって起こります。気を引き締めて、頑張りましょう。そして、今回で確実に終わらせます。AAの名にかけて、必ず潰す。そのためにもぜひ皆さん、御協力よろしくお願いしますね」
にっこりと笑いかければ、その場の人間が、背筋をぴしりと伸ばした。緊張感に満ちた、落ち着かない雰囲気。
任務前はこれぐらいでいい。全員の期待を背負う“AA”からの言葉としては合格だろう。
そう、AA。私の名前は、今世ではネームバリューがある。
例えるなら、前世で言う“五条悟”。
だから私は、自分の役割を果たすことに全力を尽くす。あの人がしていたように。
「(ほんと、こんなにも大変だなんて知らなかった。なんでこういうこと、共有してくんなかったのかな、あの野郎)」
重荷に感じたことなんて、貴方は無かったのかもしれないけどさ。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時