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「というわけで、もう少し調査が進むまでAさんは待機でお願いします」
そうやって締めくくられた電話。時刻は午前11時38分。恐らく多くの人が今日のお昼ご飯について考え始める時間帯に、私は急遽休みをいただいてしまった。ここしばらく働き詰めだったからか、逆に不安になる。
とはいえ今更仕事を強請る程の時間は無い。仕方が無いのでどこか店にでも入って時間を潰そう。
役目を終えた携帯電話をポケットにしまった後、辺りをキョロキョロと見渡して飲食店を探す。折角ならいい感じの喫茶店で過ごしたりしてみようか。
そうやって足を1歩2歩と動かし、周辺を歩き回る。まだ出来たてであろうスイーツ専門店は満席だ。残念。というか、このお腹が空く時間帯に空いているお店などあるのか?だとしたらそれは、こんな大通りにはないはず。
そう思って少し裏道に入り、勘を頼りに気の向くまま歩いてみる。
「(お、中華はっけーん。こういうどこの町にもある中華屋さんは当たりだよなあ)」
昔からこの場所で経営していることがよく分かる古びた外装に惹かれて、思わず私は店の扉を開いた。
数秒後に中からおばちゃんが出てきて、「お好きな席にどうぞ」と笑ってくれたので、1番奥の席に向かう。
ちゃんと椅子に座って食べるのは久しぶりかもしれない。最近は車の中や任務前のちょっとした時間にコンビニ飯を食べていたものだから、こうして人間らしい食事ができるのは嬉しい。
ふと、カウンターに座っている人間に目がいった。
体格のいい白髪の青年。チャーハンを無言で貪っている。
「(…まさか)」
自分の目を疑って、もう一度よく観察した。そんなはずは無い、なぜこの人が、ここに。
私の視線に気がついたのか、青年はこちらをチラリと見やる。しかし目が合った途端、すぐに逸らされた。またチャーハンへ夢中になる。
そして私は、顔を確認出来たことで否が応でも青年の正体に気づいてしまった。
「(…なんで、こんなところにいるの)」
無下限呪術と六眼の抱き合わせ。自他ともに認める最強。軽薄で最悪な性格だけど、呪術師なら誰もが憧れ畏怖する存在。
それこそが五条悟。そして、チャーハン青年はそんな五条悟と瓜二つだったのだ。
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作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます😭こんなにも嬉しいお言葉をいただけるなんて感激です🥲なかなかの不定期更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☺️ (2月26日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 作者さん» 繰り返しコメントすみません🙇♀️この作品から作者様の書かれるお話に興味を持ち他の作品も拝見したのですが、どれも良い意味で読みやすく、言葉遣いもストーリーも好みに刺さりました ; ;素敵な作品を創って下さりありがとうございます💖 (2月24日 23時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 星屑さん» コメントありがとうございます。一風変わった設定を使いたいと思いこの作品を作りました!これからも楽しいと思っていただけるよう頑張ります! (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます。内容は自分が納得ができるまで頑張って書いているので、お褒めいただきとても嬉しいです!これからも応援よろしくお願いいたします☺️ (2月22日 14時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 今までにないような作品で読み進めるのが楽しかったです!更新楽しみにしています🥰 (2月21日 5時) (レス) @page15 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年2月18日 0時