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その後、女の子を使用人に迎えに来てもらって手紙と共に見送った。その頃にはギャラリーも居なくなっており、心配で駆け寄ってきた寮母さん、そしてソファに座っているせいで背中しか見えない五条悟と夏油傑だけがその場に残っていた。
「寮母さん、すみません。すぐに戻れなくて」
「私は平気よ。Aちゃんこそ、大丈夫?というかあなた、五条家の方だったのね。今まで私はなんて失礼なことを」
「そんなこと気にしないでください。今まで通り接してくださると嬉しいです」
「あら、そう?にしても、えらい騒ぎだったし、疲れたでしょう。今日はもうお手伝いしてもらわなくても大した仕事はないし、ご飯だけ食べに来てちょうだい。もちろん無理しないように」
「ありがとうございます。お言葉に甘えて、後ほど伺いますね」
寮母さんも見送り、残すは本題、五条悟にどう謝るか、だ。
勝手なことをしてしまっただけでなく、この年頃の思春期を弄ぶのは大罪である。多分。
気まずさもあって声をかけにくいなぁ、とため息をつこうとしたら、不意に後ろから声をかけられた。
「おい」
「は、はひ」
その声の主は五条悟で、振り返ってみれば夏油傑もいる。何故か少し笑いを堪えてるけど。
五条悟の顔を恐る恐る拝むと、その顔は少し仏頂面で、ただ殺気はなかったので胸を撫で下ろす。
「大変申し訳ございません、悟様。身勝手な振る舞いをお許しください」
「いや別に、それはいーけど。むしろお前はいいのかよ」
「はい。私の方は特に問題ございません」
「…そこまでしてアイツ庇う価値あったか?」
五条悟が不機嫌そうにそう聞いてきた。なるほど、庇う価値、私にとっては無いかもしれない。けど前述の通り、私は子供が大人に何かを搾取されて不幸になる様が見ていられないタチなので行動してしまったとしか言いようがないのだ。
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セナ - 久々に時間が空いて読みに来たらめちゃくちゃ更新進んでました(´つヮ⊂)ウオォォwwwありがとうございます!!!!また更新されるの楽しみに待ってます!!頑張って下さい!! (3月26日 18時) (レス) id: 12c663bd39 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます。出来たてから読んでいただきとても嬉しいです🥳これからも応援よろしくお願いいたします! (1月27日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 更新お疲れ様です!この作品がいつ更新されるかうきうきしながら待ってました!笑 ずっと最初の方の出来たての時から見ててめっちゃ大好きです!更新頑張ってください!! (1月26日 20時) (レス) @page12 id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年1月26日 19時