検索窓
今日:7 hit、昨日:31 hit、合計:25,568 hit

5 ページ5











「お待ちください!」


やっとの思いで出た声は掠れていた。それでも何とか伝わるように話す。五条悟は目線をこちらにやりながら私の言葉を聞いていた。


「わ、私は大丈夫ですから。悟様。少し感情の整理が上手くいかなかっただけで、普段はこのような行動に出る子ではないのです。きちんと話をして、謝ってもらいますから、だからっ」


「だから許せって?…お前、自分が何されたか分かってんの?」


「いや!軽いジョークですよさっきのは!ほら、私達、こんなに仲良いんです!」


青ざめた女の子と無理矢理肩を組んで仲良しを演出するが、勿論五条悟の不機嫌は直らない。そりゃそうだ、誰だって分かるよ、こんな嘘。

それでもいい、とにかくここは穏便に、絶対事を荒立てず済ませたい。


「さっきのはちょっとカッとなっちゃったんですよね!?そうですよね!?」


私の圧に女の子は首を縦にブンブンと振る。よし、と思ったのもつかの間、むしろそれが五条悟の逆鱗に触れた。


「…最っ悪だよお前。助け舟出されりゃ責任逃れか?いい度胸してんじゃん、死ねよさっさと」


いやーん、そんな馬鹿な、逆効果かよ。そんな死ねとかすぐ言わないで。
内心泣きそうになりながら女の子の肩をギュッと握るも虚しく、五条悟が私を引き剥がした。そのまま私を背に女の子と向き合う。


「これはお返しなんかじゃねぇ。俺個人としてお前を殴る」


やめてバカ、それだけはしちゃダメだ。けれどもう同じ手は使えない。言葉で引き止めたって止まってはくれないだろう。どうすればいい、考えろ私。

五条悟が再び手を上げた。今度は握り拳のグーで。グーはやばい。加減によっては気絶してしまう。

「ダメ」と私が叫ぶと同時に五条悟の拳が女の子の顔目指して下ろされる、そのはずだった。


「悟、暴力沙汰は良くないよ?落ち着きな」


優しい響きで五条悟に言い聞かせながら、大きな手で暴力を阻止したのは、黒髪の大きな青年、基、夏油傑。

五条悟の腕を掴んで止めてくれたのだ。


「邪魔すんな、傑」


「何があっても、君が振るう力はそんなことに使うべきじゃない。それに、誰も望んじゃいないからね」


「でもコイツは、Aを」


「うん、でも1度落ち着くといい」


夏油傑のその一言で五条悟はフッと肩の力を抜く。「助かった」という事実に私は放心状態になりかけた。が、こうはしていられない、次の問題がある。


「(この女の子、家の人にはなんて説明すんのさ)」

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
419人がお気に入り
設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , さしす組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セナ - 久々に時間が空いて読みに来たらめちゃくちゃ更新進んでました(´つヮ⊂)ウオォォwwwありがとうございます!!!!また更新されるの楽しみに待ってます!!頑張って下さい!! (3月26日 18時) (レス) id: 12c663bd39 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます。出来たてから読んでいただきとても嬉しいです🥳これからも応援よろしくお願いいたします! (1月27日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新お疲れ様です!この作品がいつ更新されるかうきうきしながら待ってました!笑 ずっと最初の方の出来たての時から見ててめっちゃ大好きです!更新頑張ってください!! (1月26日 20時) (レス) @page12 id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者 | 作成日時:2024年1月26日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。