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「それでほんっとに可愛くないのよアイツ!マジでなめやがってあのスットコドッコイ!」
もはや酔っ払ってるのではと疑いたくなるほど白熱する庵歌姫の愚痴大会。
一応手に持ってるのはジュースだし、私が持ってきた栗スイーツだってアルコール入りのものではない。
「よくあんなヤツと結婚する気になれるわね!今からでも間に合うなら全力で別れる協力するけど!?」
「い、いや、いいです。別にお付き合いも婚約もしてませんし」
「…え?そうなの?」
驚いた顔でこちらに首をギギギ、と動かす庵歌姫。
「はい。悟様が18歳になった時に心変わりなさらなければ結婚することになっているんです」
「へぇー…よく分かんないけど、なんか複雑なのね。最初はお金持ちの偉い人ってことしか知らなかったけど、やっぱり御三家って面倒臭そう」
「あはは、正直そうですね。なかなか理解した気になっても、実は不足していた、なんてことはかなりあります」
「それに、好きでもないあんなクソガキに反抗すら出来ないで結婚とか…ご愁傷さま」
庵歌姫の五条悟嫌いはなかなかのものだ。作者からも「割とマジで嫌い」と明言されている一方的なヘイトに、私は笑うことしか出来ない。庵歌姫の話に賛同なんかすれば、一瞬で五条家の中での没落が進むし。
にしても、どうやら「五条Aと五条悟が互いに想いあっている」という噂は、庵歌姫に届いていないらしい。…いや、多分さしすの誰かが説明したんだな。助かる。
「というかこの栗味、美味しすぎるんだけどどこの?」
「えっと、私もここのお店で買うのは初めてでして…良かったらこの紙、差し上げます」
「いいの?じゃあ遠慮なく。…げ、4000円!?」
お菓子によく付いてくるお店と商品の広告が書いてある紙を見た瞬間、ドン引きするような声をあげながら真っ青になる庵歌姫。
確かに、和菓子としては高いのかもしれない。いかん、五条家にいるせいで金銭感覚バグってる。
「これが御三家パワーね…よく見たら着てるものまでいかにも良さげな着物だし…」
「ありがとうございます…?」
「もしかして私服は超高級ブランド品だったり…!?」
「あ、いえ、私は普段から着物を着用していますのでお洋服は持っていないんです」
「え、えぇ!?」
なんですって、と目を丸くして大きな声を出す庵歌姫に、私は苦笑いを浮かべた。
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セナ - 久々に時間が空いて読みに来たらめちゃくちゃ更新進んでました(´つヮ⊂)ウオォォwwwありがとうございます!!!!また更新されるの楽しみに待ってます!!頑張って下さい!! (3月26日 18時) (レス) id: 12c663bd39 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます。出来たてから読んでいただきとても嬉しいです🥳これからも応援よろしくお願いいたします! (1月27日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 更新お疲れ様です!この作品がいつ更新されるかうきうきしながら待ってました!笑 ずっと最初の方の出来たての時から見ててめっちゃ大好きです!更新頑張ってください!! (1月26日 20時) (レス) @page12 id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年1月26日 19時