【五条悟】参・控えめに言って生きてぇ

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術師の繁忙期である夏も、色が抜けていくように段々と勢いが落ち、今では秋の香りの方が強くなった。
まだ夏の足跡は残っているが、以前よりだいぶ過ごしやすくなったと思う。

私はあの後、また分家の方に戻ってどんな様子だったかを確認した。次期当主さんはしっかり者だから心配していなかったが、やはり問題なく仕事が出来たようだ。
と、同時に、分家にも私と五条悟の関係性の噂が広まっていた。
次期当主さんに優しく微笑みを投げかけられ、お母様には後方彼氏面等しく強い頷きをもらったので周りの反応は悪くないみたい。
奥さんが素敵な人だから結婚に対してポジティブな人はまだしも、女の幸せ=身分の高い人と結婚という考えの人間の反応を宛にするのは怖いけど。

一応使用人にも確認しようとしたら、する前に先に｢おめでとうございます｣と祝われた辺り、多分ガチで前向きにこの噂は広まっている模様。

まぁ私、お偉いさんには基本逆らってこなかったし、無闇に敵を作るような行動をしたこともないから、比較的反感を買わないで済んだのだろう。

そうして分家での生活を1か月ほど前からスタートして、安心安全に時間を過ごしていたのだが。


｢A、いつまでここにいるつもりなの。早く悟様のところに戻りなさい｣


｢…え？｣


｢女は、主人の傍には常に着いているものよ｣


｢は、はぁ｣


と言った感じで、お母様に分家を追い出された。流石に理不尽だなと思ったし、仲が良好なことを周囲に知らしめられたんだから良くね？と文句を垂れようとしたが…母親の圧に負けて渋々高専へ戻ることに。折角だからと秋の味覚である栗をふんだんに使った栗スイーツのセットを抱えて。

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