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何かおかしなことを言っただろうか、そこまで思考を進めて、ようやく自分の発言のヤバさに気づく。
と、同時に、私が気づいたそのまんまのことを夏油傑が呟いた。
「…なんか、逆プロポーズみたいですね」
「……た、確かに?いや…そんなつもりじゃなかったんですけど」
「普通言いませんよ、いつまでも待ってるとか」
自分で言ったことに自覚がなかったというのは恐ろしい。ポンポン口から飛び出たのがこの「逆プロポーズ」だというのなら、私はもしかしたらでまかせを言う職に向いているのかもしれない。
普段人の何倍もの時間をかけて発言に迷うせいか、こうして咄嗟に口を開くとろくなことを言いかねない馬鹿はこの私です。ただまぁ、五条悟の反応を見る限り中々ロマンチックなことを言えたのではないだろうか。
「お前…」
「良かったね悟。じゃあもう君は単独任務の時間だし行こっか」
「は!?この流れで?」
「悪いけど、余韻に浸ってる暇はないよ」
「行ってらっしゃいませ」
「…っクソ!言質とったからな!」
「はい。証人は夏油様ということで」
こうなったらヤケクソだ。にっこりと営業スマイルで見送れば悔しそうな顔で夏油傑に背中を押されて扉から締め出されていった五条悟。
夏油傑と2人きりになった空間で、またもや同じ話題が続いた。
「…もしかして、悟のことちゃんと好きなんですか?」
「え?いやまぁ、好き、だとは思いますけど」
「……弄んでますね」
「いや、そんなわけないじゃないですか。そんな恐れ多いこと」
弄んではない、断じて弄んでは。
ただちょっと、安心しきって口が滑っただけだ。
苦笑いでそう答えると、夏油傑が意味深な笑みを浮かべてさらに質問を重ねる。
「Aさんって」
「?」
「本当はとっくに大人だったりします?」
冗談で言われたその一言に、思わず顔が引き攣りそうになる。痛いところをつくなぁ夏油傑。結構ガチめにその通りなのだが、まぁ冗談で本人も言っているし。
「…あはは、そうなんです。実は人生2週目で」
「はは、通りで。そんな気がしてました」
つくづく、夏油傑という人間は魔性の魅力を持っていると思うのでそこら辺見習いたい。ガチで15歳が持っていいコミュ力超えてるから、すげぇよ。
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セナ - 久々に時間が空いて読みに来たらめちゃくちゃ更新進んでました(´つヮ⊂)ウオォォwwwありがとうございます!!!!また更新されるの楽しみに待ってます!!頑張って下さい!! (3月26日 18時) (レス) id: 12c663bd39 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます。出来たてから読んでいただきとても嬉しいです🥳これからも応援よろしくお願いいたします! (1月27日 0時) (レス) id: 371b148e61 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 更新お疲れ様です!この作品がいつ更新されるかうきうきしながら待ってました!笑 ずっと最初の方の出来たての時から見ててめっちゃ大好きです!更新頑張ってください!! (1月26日 20時) (レス) @page12 id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2024年1月26日 19時