お前は生徒や【紫】 (ページ19)

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あれから、何の変化もなく村上先生とのドライブは終わりを迎えた

村上「せや、お前親さんに連絡ちゃんと入れたんか？」

貴方「…っ」

村上「まさか入れてへんのか？」

貴方「な、わけないじゃないですか！入れましたよ！」

村上「ほんならええけど。ん、着いたで」

車はあっという間に家に着いた

寂しさがグッと込み上げてきたけど、もう特別にしてもらったし我儘は言えない

でも、家に帰りたくないなぁ

そんなこともう言えないけど

貴方「先生！運転ありがとうございました！」

そう言って、車を降りようとした時

村上「如月」

貴方「はい？」

村上「顔」

貴方「顔？」

村上「おん、すんごい顔しとる。笑わらな幸せ逃げてくで」

村上先生はそう言いながら口の両端を左右の人差し指で横に引いてニカッと笑った

私、そんなすごい顔してたん…？

やばいやばい、恥ずかしっ

貴方「では、今日から福の神始めますっ」

私もニカッと笑ってみた

村上「ぶはっ…冷やし中華始めましたみたいに言うなや」

貴方「よし、先生のこと笑わせられた！福の神成功や！」

村上「俺関係ないやろ。お前に笑えゆーとるのにほんま…(笑)」

村上先生と話す時間はすごく楽しくて

帰りたくない思いも強くなる

けど、そんな願いは叶わずで、

村上「あかんあかん、時間忘れとった。ほな、もう家に入りや」

貴方「…そうですね。それじゃ」

村上「あいあい。今度こそバイバイな」

貴方「はい。また明日」

さようならって言うのが少し辛くて

また明日って会える保証をつけた

そして村上先生は、遠くなるまでニカッと八重歯を光らせながら手を振ってくれた

車運転しながらなのに

はぁ。もうちょっと甘えたかったな…