▼デート ページ16
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ある日の、午後。
私は待ち合わせ場所に向かっていた。髪の毛はしっかりふわっと巻いてメイクもして、服装も整えて。身長が小さいので、いつものように厚底のブーツも履いて。
集合時間はまだ後5分も残っていたけれど、待ち合わせ場所に着くとそこにはもう相手が着いていた。
『 ごめん、待たちゃった、？……慎ちゃん 』
＿＿＿その相手とは、メンバーの森本慎太郎である。
慎ちゃんは私の姿を見つけるなり、「俺もさっき着いたところ」と微笑む。今日は、欲に言う"デート"と言うものだろう。
とは言え、私達は付き合っていない。ていうか付き合う予定もないし、お互い恋愛感情はない。長年隣にいる、大事なメンバーだ。
たまたま時間が空いていたので、二人で遊ぼうとなっただけ。最近は無いけれど昔はよく遊んでいたので特に何の違和感はない。
『 何か久しぶりだね、二人きりでとか 』
森本「 まぁね。どこ行く？ 」
『 どこでもいいよ。人多いね 』
森本「 ん 」
『 いいの？ 』
昼頃というので、街には沢山の人だかり。さらにこの日は休日というのもあって、学生も居て尚更。すると、慎ちゃんは私に手を差し出してきた。「はぐれるから手を繫ごう」という事なのだろう。
私は笑顔で慎ちゃんのその手を掴んだ。私より大きくてゴツゴツしている手に安心感を覚える。手と手が絡み合う。所謂"恋人繋ぎ"というもの。……もう一回言うけど、付き合っていない。
「 っ、あの、柚木Aちゃんと森本慎太郎くんですか……？ 」
数分も歩いていると、「あの、」と声を描けられた。顔を赤らめる女の子は、恐らくSixTONESのファンだろう。
『 あ、そうです！ 』
「 私、ファンでっ、！まさか会えると思ってなくて、ずっと応援してて、 」
『 ありがとう！泣かないで〜！笑 』
「 これからも頑張ってください、！ 」
森本「 ありがとうございます！ 」
『 ありがとう！ 』
女の子と握手を交わし、その子とは数分もせずに分かれた。こうやって声を掛けられるって応援してくれる人が増えた証拠なんだなあ、と嬉しくなる。
『 映画見に行かない？ 』
森本「 ん、いいよ。何見る？ 」
『 何見ようかなぁ、 』
何回も言うが、この二人は付き合っていません。
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作者名：あぷりこっと
| 作成日時：2020年5月11日 8時
