階級・甲の癸さん拾陸

718話　鬼舞辻side ページ24

春姫「……………」



鬼舞辻「…春姫、何をしているんだ。」



何故か部屋の隅で膝を立てて座っている春姫。



声を掛けても私の方を見る気配はない。



春姫「…無惨さん、嫌い。」



突然のその言葉に思わず耳を疑う。



鬼舞辻「…おい春姫、訂正しろ。」



そう言いながら腕を引っ張り、私の方を見させる。



それなのに私の顔を見ることはなく、何処か機嫌の悪そうな顔をし続けている。



…何なんだ。



鬼舞辻「私が何かしたのなら言え。」



春姫「…無惨さんからしたら普通なのかもですね、私が気にしすぎているだけなので気にしないでください。」



表情を帰ることがないままそう言い、私の手を払ってまた座り込む。



鬼舞辻「…おいどうした。」



春姫「何でもないです。」



そう言う春姫を後ろから抱き締める。



…小さい頃からこいつは何かと意味の分からない所で拗ねるから、そう言うときはこうしてやれば機嫌が治った。



それが今でも有効だと良いが…なんて思いながら抱き締め、静かに聞く。



鬼舞辻「…何かしたのなら、言えと言っている。」



春姫「…離れてください。」



…何だ、どうした。



これが噂の「反抗期」と言う奴か？



鬼舞辻「おい春姫、何も言われなければ分からないだろう。」



春姫「分からなくていいです、取り敢えず離れて…」



鬼舞辻「ダメだ、話すまでは離さない。」



春姫「…も、ほんとやだ。」



そう言いながら両手で顔を覆う。



…嫌われたか？

719話　鬼舞辻side→←717話　鬼舞辻side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す