階級・甲の癸さん拾陸

705話　鬼舞辻side ページ11

「何だこいつ！！」



「化物…！！」



春。



桜の咲く季節。



私を化物だと言った者達は命を落として行く。



私が殺している。



…化物？



違う、鬼だ。



鬼舞辻「…弱いな。」



弱い人間が、私を化物呼ばわりか。



…くだらない。



周りの人間を全て殺した後、静かに咲き誇る桜を見上げる。



…何年経ったか、私が鬼になってから。



もう数えていない。



青い彼岸花も見つからない…これでは完璧になり切れない。



鬼舞辻「…何処にあるんだ。」



まだ確実に自らの力を全て分かったわけではない。



何処かで試してみるか…そんなことを考える。



青い彼岸花が見つかれば、私は完璧になれるのだ。



陽に当たれるようになれば、私は…



カサッ



…小さく、そんな音がしたような気がした。



何処からするのかは分からないが…今殺した人間達の生き残りだろう。



この状況を見られて生かしておいたら面倒だな。



…見つけて殺しておこう。



そう思いながらその音の持ち主を探す。



…人の心を読む力はあると言うのに、それを使おうとしても聞こえて来ない。



何故だ？



不思議に思いながらも探す。



…人でないのか？



鬼舞辻「…はあ、何処だ…。」



あれから音はすることがなく、見つからない。



…本当に何処なんだ、猫などの動物ならわざわざ殺す意味もないが…



…そう思った、その時。



変な動きをする、汚い布を見つけた。

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