階級・甲の癸さん拾陸

696話 ページ2

『…何処に居るんだよ。』



超キレ気味にそう言いながら歩く。



…え、童磨さんあっち、とか言ってたよね？



…そう言えばあっち、って言われただけで何処か聞いてないよね。



忘れてたけど僕って方向音痴だよね。



『僕ちょっとチート能力ある割にはやばくない、欠点多すぎない？？』



なんて言いながら頭を抱える。



『仕方ないかぁ…雨の呼吸、弐ノ型・秋雨。』



まあこれで五感が活動してくれれば見つけることだって



『…は？』



琵琶の音のようなものがした次の瞬間、目の前に鬼舞辻さんが現れる。



…鳴女さん(キレ)



もっと早く行動してくれませんか！！



『お久しぶりです、鬼舞辻さん。』



鬼舞辻「…彼奴を倒したか。」



『倒しました倒しました…。』



…倒してしまったよ。



本音言うと倒したくはなかったけど…なんて、ね。



誰一人殺さずに済めばどれだけ良かったかな。



鬼舞辻「彼奴は血鬼術を複数持つ…簡単には勝てない相手だろう。」



『僕最早反則技って感じの技さえ使えるので。』



チートなんだと思う、僕は。



もう隠さない、欠点の多いチートだ。



…それってチートって言うのかな(頭抱え)



『さて、』



そう言いながらその場に星座で座り込む。



『…話しましょうか。』



鬼舞辻「…鬼になるという話か？」



『そんなはずないって事くらいは分かってるはずですけどねぇ？』



…僕は、鬼にはならないよ。

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