階級・甲の癸さん拾伍

671話　雪希side ページ27

雪希「…でも、桜花ちゃんも思わない？」



私は自分を守るために…言ってはいけないことを言った。



桜花「…何を？」



雪希「あんないつもへらへらしてて何考えてるか分からない奴…もしかしたら、人も殺してるかもしれない、って。」



そう言った途端、ピシッと空気が固まったのを感じた。



でも私は…もうそこから引き返すことなんて出来なくて。



雪希「勉強も運動も出来るし、いつも笑ってるから人気者なんだよね？

でも、私にはあの貼り付けたような笑顔…気味が悪いとしか思えない。

何人か殺してても普通に笑ってそうな感じとかしない？

だから私…あの噂、嘘じゃないと思ってるよ…？」



ああ、今にもキレそうだ、分かってるから余計に煽る。



雪希「父親が居ないなら…もしかしたら、その父親殺してるかもしれないよ？

ていうか、桜花ちゃんに言ったのは嘘で…この噂が本当かも。

Aさんって顔も良くないし、兄弟が良かったからって嫉妬して殺しちゃったかもね？」



桜花「…本気で言ってんの？」



雪希「本気だよ？私からしたら…あの人、気持ち悪いし。」



そう言うと、掴みかかってくる。



桜花「…Aが気持ち悪い…？巫山戯ないで。」



雪希「気持ち悪くない？今だって嫌われてるのにへらへら笑って。

ほんっと…あの顔見てると吐き気するよね、人を誑すようなあの人って…本当に気持ち悪い。」



…その途端、頬に感じる痛み。



桜花「それ以上…Aを侮辱するなっ…！！」



…殴られたんだ。

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