階級・甲の癸さん拾伍

666話　雪希side ページ22

『あれ、雪希さん帰るんですか？』



雪希「あ…はい、Aさん達は？」



『僕達最終組です、ていうか近頃は此処に泊まって暮らしてる所あるので！』



にこ、と笑ってそう言う。



…あの三人は、最終組…つまり、空の学校に最後の時間まで残っている人達。



此処って泊まれるんだ…そう思いながらも帰路に着く。



雪希「…憂鬱だなぁ。」



はっきり言って、家庭環境は良い方じゃない。



母親は過剰な期待を押し付けてきて勉強とかも押し付けてくる。



父親はいつも帰りが遅く、帰ってきたら母親と同じように勉強はしたのかと聞いてくる。



なのに勉強も何もしない弟には何も文句も言わない…過剰な期待を掛けられる私の身にもなって欲しい。



それが嫌になって、学校でも友達が段々居なくなってきたから、噂に聞いた空の学校に通っているのに…そんなのも知らないか、ちゃんと空の学校じゃなく籍のあるあの学校へ通えと押し付けて来て…毎日帰るのが嫌で仕方ない。



…それでも私は帰るのに…あの人達は帰らなくて良いんだね、羨ましいな。



…嗚呼ダメだ、こんな黒い思考持っててはいけない。



雪希「…何も努力してなさそうなのに、」



…待って、私今何言った？



努力してない人なんてこの世に居るわけ無いじゃん。



雪希「…あーダメダメ、こういう思考に囚われるのはよくない！」



…空の学校には、あの学校より友達も居るし、家族にしてくれるって言ってる人も居る。



だから、大丈夫。

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