階級・甲の癸さん拾伍

665話　雪希side ページ21

雪希「…ダメか、」



テンションとか、服装とか、ある程度のことを桜花ちゃんに寄せてみたりした。



それで他の人達は前より仲良くなれたけど…あの三人の所にだけは入れない。



まるで邪魔するなというかのように、壁を作られているような気さえする。



ああ、何だかな、どうしてかな、



雪希「どうすれば、」



「お前最近桜花の真似してる？」



突然聞こえてきたその声に、驚きながらも目を向ける。



すると其処には、Aさんと桜花ちゃん…そして他の家族と言われている人達以外には大体冷たい目をしていて…対応も冷たい…それで有名な王狼帆さんが居た。



家族と呼ばれている人達の中でも非情だって言われていて、傷付ける人には容赦ないとか。



…それを知っていたからこそ、真似している私は…少し彼に恐怖を覚えた。



相変わらずの冷たい目に、射抜かれてしまいそうで。



帆「…無視ですか。」



雪希「いや、えっと…」



自分を守るために…私はこの時、嘘を吐いた。



雪希「…してない、です。」



帆「…ふーん、まあそう言ったって俺達にはそう見えてるからいけないんだけどね。」



冷たく言い放たれるその言葉が怖くて、下を向くことしか出来ない。



帆「…お前はお前なんだから、自分の良い所見つけてそれ引き出してけよ。」



雪希「…え、」



帆「人の良い所真似して自分に取り入れたってその人にはなれねぇんだから。」



…それだけ言うと、すぐに戻っていく。



雪希「…知ってるよ、そんなこと。」

666話　雪希side→←664話　雪希side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す