階級・甲の癸さん拾伍

673話　雪希side ページ29

桜花ちゃんが私のせいでみんなに嫌われて以来、Aさんと帆さん以外は桜花ちゃんに近づかなくなった。



その影響で、Aさん達“家族”の関係は壊れた。



“家族”でさえ“証拠”があったからには疑うこともせず、私を信じ…私の味方をするようになった。



あの三人は、ずっと一緒にいたけど。



…本当は、他の人なんてどうでも良いから…帆さんに味方してほしかったのに。



妹である二人を命より大切にしていた帆さんは、決して此方には来なかった。



それどころか、私が殴られている現場を見ていた人達、“家族”だった人達の所に行っては声を掛け、揉めたりもしていたらしい。



馬鹿だなぁ、ほんとに。



そんなことを思いながらも…私が帆さんを好きという気持ちはなくならなくて、どうにか此方に来てほしくて。



そんなことを考えている矢先に、桜花ちゃんが飛び降りて死んだ。



Aさんが壊れているのを見るのは本当に心地良かった。



帆さんが桜花ちゃんのために壊れているのは、凄く不快で…腹が立った。



…それどころか、帆さんは、壊れかけているAさんの傍にずっと寄り添っていて…。



…Aさんが、邪魔で仕方なかった。



それなのに…次に死んだのは、帆さんで。



何で帆さんなんだ、どうしてAさんじゃないんだ…そう思っていたら、Aさんは、帆さんを追うように死んだ。



…最初からAさんが死んでいればこんなことにはならなかったのに。



そんなことを、考えていた。

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