158話 ページ14
善逸「ファルさん」
『なぁに』
善逸「抱き着いても良いですか」
『何で聞いてんの、前まで聞かなかったでしょ。別に良いよ』
善逸「相変わらず優しいよねファルさん、あーあたたかい」
エペル「…いいの、かな」
ジャック「先輩が良いって言ってるからな…」
授業へと向かっていると、善逸くんが問い掛けた後に抱き着いてくる。
僕がフロイド・リーチさんに抱き着かれても余り動揺しないのは確実にこう言った感じで抱き着いてくる人が居たからだと思われる。
いやまぁ、顔の良さで動揺することは勿論あるけどな?
善逸「…ファルさん、ほんと…あたたかい」
『そりゃあ生きてるからね。とは言え相変わらずの低体温だが』
善逸「そうだけどそうじゃないの!!生きてるのが当たり前みたいな言い方しちゃダメだから!!特にファルさんは」
その言葉に、後輩二人は首を傾げる。
ネーロは少し黙り込み、しのぶは少し眉を顰めながら目を背ける。
…善逸くんの顔を見ようとしたけれど、僕の肩に頭を押し付けているため顔は見えなかった。
『はいはい、そのままで良いからちゃんと歩いてね。遅れたくないし』
善逸「はーい」
…そうだね、僕だけは言ってはいけないね。
前前世、置いて行ってしまった人の中に…君も含まれているのだから。
自らの頸を斬り、遠くなって行く意識の中…僕を見つけてくれたのは、君と炭治郎くんと伊之助くんだったね。
突然姿を消した僕を…君の優れた聴覚で、炭治郎くんの優れた嗅覚で、伊之助くんの優れた触覚で。
それぞれの優れた部分を駆使して、僕を見つけてくれたもんね。
…それなのに、置いて行ってしまったんだよね。
段々と小さくなって行く僕の心音を聴いていた君は、一体どんな気持ちだったのだろう。
匂いも、温度も、段々と消え行って…あの二人だって怖かったに違いない。
…でも、一番に“それ”が分かってしまうのが…音と言うものでしょう?
…ごめんねぇ、善逸くん…
善逸「ファルさんとヴェレーノさんの寮は?」
しのぶ「僕はポムフィオーレですよ」
善逸「あ、確か毒を作るのに長けているんですよね?流石…。ファルさんは?」
『僕はネーロと同じでディアソムニアだよ』
善逸「魔法得意な所じゃなかったっけ」
『其処ら辺は後で説明するねぇ。ちなみに君は?』
善逸「サバナクロー」
『耳良いからかなぁ…』
今度善逸くんに付ける付け耳でも買うか。
なんて本人には言わないけど。
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真冬 - 続き待ってます!! (2023年2月11日 20時) (レス) @page30 id: df27f919ce (このIDを非表示/違反報告)
明理(プロフ) - 善逸かっこいいとこなのに…この小説面白いのにぃ!!!更新待ってます!! (2022年6月5日 14時) (レス) @page30 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬 華怜(プロフ) - 元々ツイステと鬼滅のクロスオーバーは好きですが、この作品は特に大好きです!!更新停止になってしばらく経ちますが、何度も読みに来てしまいます笑 都合はあるかも思いますが、いつか更新していただけたら嬉しいです。待ってます! (2021年8月30日 10時) (レス) id: c829cd7d6a (このIDを非表示/違反報告)
ナム - フロイドさんよぉあんた気づいてんじゃないのか…?女だってこと (2021年8月22日 22時) (レス) id: 9ed70eacbe (このIDを非表示/違反報告)
ぴおり(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に最後まで読んじゃいました!あまり好きではない顔文字も使ってないし、分かりやすい話だし、とにかく凄く読んでいて楽しかったので、頑張ってください!! (2021年1月17日 22時) (レス) id: 746032848f (このIDを非表示/違反報告)
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