呼吸使いの魔法学園生活２

72話 ページ26

ネーロ「でもそれは気にしてくださいって言ってるように思える」

『ですよねぇ、でもこの時期にマフラーしてたらおかしいし…』

ネーロ「…つまり、マフラーじゃなきゃ良いだろ」



マフラーじゃなければ良い、とはどう言うことか。

よく分からず首を傾げていると、ネーロは溜息を吐きながらも自分のタンスを漁り始める。

いきなりどうしたのだろうか。



ネーロ「んー、この色…ファルに似合いそうだし良いかなぁ」

『何が？』

ネーロ「良いからおいで」



そう言ったネーロは、僕の方へと手招きしてくる。

何だ何だと近付けば、突然僕の首の後ろへと腕を回す。

…今は動いちゃいけないな、何かしてくれているみたいだし。



ネーロ「こんなとこかな」

『何ー？』

ネーロ「はい、見てみろ」



ネーロがそう言うと、目の前に鏡が浮いて現れる。

魔法使ってるんだな…ずっと思ってたけど、ネーロって魔法使うの上手だよね。

そんなことを思いながら、言われた通り見る。



『…綺麗なストール、』

ネーロ「淡い青って、ネーロって感じするんだよね」

『何僕のために買ってくれたの』

ネーロ「なわけあるか」



首に巻かれたストールは、決して違和感のないもので。

これならお洒落で巻いていると思われてもおかしくないだろう。

…ネーロはいつも、僕のことを考えてくれる。



ネーロ「ん、それやるからこれからは自分で巻けよ」

『僕ストールの巻き方知らない』

ネーロ「はあ？…じゃあこれからは早起きしてね」

『どーして！？』

ネーロ「毎朝巻いてやるって言ってんだよ心の底から感謝しろ」

『うわ何優しいかよ愛してるよ兄様』

ネーロ「お前に愛してるって言われると何かな」

『其処は喜ぼ？？て言うか兄なのは本当にいいんだね好きだよ』



其処まで許してくれるなら愛してるにも返してくれて良いのでは。

結構ジョーク効くし面白いし、きっとネーロに惚れない人は居ないと思うよ。

僕はマブだと思ってたし何なら今は兄ちゃんだから惚れたりはしないけど。

惚れてたら同室なのやばいっしょ…まあ僕はネーロを襲ったりしないから安心して欲しい。



ネーロ「安心要素が頭おかしい」

『たまに僕の心の声に答えるよね、ネーロって』

ネーロ「言葉に出てることに気付けよ」

『そんなことだと思ってました！！』

ネーロ「はー、朝から疲れた」

『ごめんね！？ありがとう！？』



疲れたとか言いながら、僕が喜ぶと少しだけ微笑むんだね。

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