九頁 ページ11
『ねぇちょっと君、聞きたいことがあるんだけど。』
「え、」
『今から此処で何が行われるの?』
そう聞くと、何を聞いているんだと言いたげな顔で僕を見てくる。
「最終選別だぞ?」
同い年くらいと踏んだのか、そう言いながら首を傾げてくる男の子。
顔が良い…じゃない、最終選別だと…?
僕は6年前にそれは突破したはず…なのに何故6年越しでまた藤襲山に来ている…それもこれから最終選別が行われるってなってる時に…よく分からないな、帰ろう…と思っていたその時。
「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。」
双子と思しき子の内一人が、そんなことを言い出した。
…覚えてる、覚えてるぞ…これは最終選別が始まる合図…
「この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めてあり外に出ることはできません。」
「山の麓から中腹にかけて鬼共の嫌う藤の花が一年中、狂い咲いているからでございます。」
「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります。
この中で七日間生き抜く。」
「それが最終選別の合格条件でございます。ではいってらっしゃいませ。」
ああ、懐かしいなぁ…なんて感傷に浸っている場合ではない、早く帰ろう…じゃないと、また最終選別出ないといけないことに…
「何処に行くんだ?此方だぞ。」
そう言って腕を掴んでくる赤髪の男の子。
『え、や、僕は最終選別に出る気はなくて…』
「?此処まで来て何を言っているんだ、鬼殺隊志望なんだろう?
怖いなら俺が一緒に行くから、早く中に入ろう。」
『違う、違うんだ少し待って…離してよぉぉぉぉ…』
赤髪の男の子の力はとても強く、簡単に引き摺られてしまう。
…すみません、まだ会ったことはないけどお館様…何故僕を最終選別が行われる直前の藤襲山に行かせたんですか…こうなることくらいは分かってますよね?
行きたくないよ生きて帰る自信ないよ?
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何卒 - すみません、誤解なら良いのですが、私のコメント消しましたでしょうか?なにか不快なことをしてしまいましたでしょうか?バグや勘違いなら申し訳ありません。もし、不愉快な思いをしてコメントを消したのであれば、申し訳ありません。。 (2019年11月3日 22時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
キア(プロフ) - 面白いと思ったら貴方様の小説でしたか!とっても面白いです! (2019年11月2日 15時) (レス) id: c785cd048e (このIDを非表示/違反報告)
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