雨柱の癸さん肆

141話　真誠side ページ3

真誠「…何で？」



雨柱様に言われた言葉の意味がよく分からず、その場に立ち尽くす。



…いや、言葉の意味は分かるんだ…俺をどうしても継子にしたくないんだろう。



…分からないのは、何故鬼を殲滅すると言った途端に冷たくなったのか。



最後に雨柱様が纏った雰囲気は本当に恐ろしいもので…足が竦んでしまった。



あんな雰囲気を出せるなんて…いや柱様だ、おかしな話ではないのだろう。



でも…何と言うのか、取り敢えず…



真誠「…やっぱりあの人の継子になりたい。」



あの一瞬で分かった。



あの人は…本当に強い。



だから、どうにか、



「無理だと思いますよ。」



突然耳元でそう声を掛けてきた人。



…何となく誰かが近くに居るのは分かっていたから、特に反応はせずに聞く。



真誠「どういうことですか、蟲柱様。」



蟲柱様である胡蝶しのぶ。



聞いた通り綺麗な人だ…まあ俺はそういったことに興味などはないけれど。



胡蝶「あら、思ったより驚かないんですね。」



「聞いた通り期待の新人と言うだけあるようです。」と言いながら笑う彼女も、どうやら特に驚いては居ない様子だ。



…おちょくられているような気さえしてくる、何なんだこの人は。



まあ相手は柱様だ、少しくらいは許容範囲内…。



…やっぱり柱様からは、他の人とは違う雰囲気を感じるな。



流石としか言えない…それでもやっぱり、あの人は特別だった。



あの人の雰囲気は…凄すぎるから。

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