モブ人生返せ。

舞妓 ページ6

『もうほんとない…。』



「どうかしたのかい譲ちゃん！」



『あー、聞いてよおっちゃん…面倒な人に絡まれて名前言わされて自分名乗らんで消えてしまって泣きたい。』



「あー、そりゃ大変だったなぁ、取り敢えずこれでも食って気分変えろ！」



『相変わらずおっちゃん太っ腹！よっ、イケメン！』



「やめろ照れる。」



いつも通っている定食屋のおっちゃんとはよく話をするくらいには仲が良い。



取り敢えず掻い摘みながら無惨様と出会ってしまって事実を簡潔に言う。



そうすれば既に天ぷらうどんを食べていた僕の器の中に、さつまいも天を入れてくれる。



いや、好きだよおっちゃん。



「で、その面倒な人ってのはどんな格好をしてたんだ？」



『…マイケル…マイケルだよマイケル、マイコー。』



「舞妓？」



『おっちゃんほんとそういうとこね。』



おっちゃん勘弁してくれ、無惨様が舞妓の格好してムーンウォークしてるの想像してしまった。



無表情保つのって案外大変なんだからね、ほんと。



『舞妓…舞妓かぁ…舞妓…。』



似合うとは思うんだけどムーンウォークしてる想像してからはこれ考えたら腹筋崩壊しかしなくなりそうだからもう二度と考えない。



おっちゃん普通に首傾げてるけどそういうとこだからな。



おっちゃんいつも天然発揮するからこちとら笑い堪えんの大変なんだ。



「まあその舞妓によろしく伝えてくれよ！」



『舞妓じゃないし出来るものならもう二度と会いたくないんだけど。』



ていうか舞妓を確定しているおっちゃんの頭の中どうなってるの。

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