階級・甲の癸さん拾弐

516話 ページ8

『…伊黒さん。』



伊黒「違う。」



『あれ伊黒さんじゃなかったっけ！？』



伊黒「それは名前じゃない名字だ。」



『嘘だろ(頭抱え)』



そもそも何が起こっているのか分かんないんですけどほんと何誰か助けて…



『……………小芭内、さん。』



伊黒「声が小さい。」



『なっ！？…お、小芭内さん…！』



伊黒「聞こえない。」



『聞こえてますよね聞こえてるのに言ってますよね！？』



新手の拷問だと思うんですよこれ、何！？



『お、小芭内さん！』



そう言うと、少し離れ…僕の頭にぽん、と手を置いた。



伊黒「よく言えたな、A。」



…少し笑うなよ何なんだよ無駄にイケメンすぎて僕の目が潰れるよお前ほんと嫌い…(頭抱え)



ていうか名前で呼ぶからさ！！



過剰反応しちゃうじゃん中々名前でなんて呼ばれないんだよクソ！！



『ほんっとやだ…』



もう今近かったのと名前呼ばれたので(呼んだの含め)絶対顔赤くなってる…。



普段赤面とか絶対しないのに最悪…。



そんなことを考えながら両手で顔を覆う。



伊黒「照れているのか。」



『ハッキリ言うなよ！？馬鹿なんじゃない！？』



伊黒「馬鹿じゃない、人を馬鹿扱いするお前が馬鹿だ。」



『酷くないですか？？』



もうやだ顔上げない…ほんと嫌だこの人やだ…



そう思いながらただただ顔を覆うことしか出来ないでいると、



「…何してるの？」



そんな声が、聞こえてきた。

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