階級・甲の癸さん拾弐

550話 ページ43

時透「ふーん、じゃあ叶わない恋してたんだね。」



『そうなっちゃいますね。』



あー、もうずっとしまっていた感情なのにな。



『今のおうちゃんに言わないでくださいね。』



時透「言わないし、すぐ忘れるから。」



『そう言えばそうだった。』



話したのが小石さんで良かったな。



他の人だったら面倒だし…。



時透「…早く寝たら。」



『寝ます寝ますー、あ、また添い寝してくれますかー？』



まあ冗談だけど…なんて思っていると、布団の中に入ってくる時透くん。



『…あの？』



時透「…添い寝して欲しいんじゃないの。」



…まあ、誰かと寝ると安心するのは事実だ。



『ありがとうございます…。』



そう言いながら目を瞑る。



そうすると頭を引き、胸元につけてくれる。



…人の鼓動を聞くと、生きてるって感覚がして…とても落ち着く。



『…小石さんって案外優しいですよね。』



時透「意味分かんないこと言ってる暇あったら寝たら。」



『はーい、そうします…ではおやすみなさい…』



ぽんぽんと頭を撫でてくれる手は優しくて。



年下なのにそうは思えないくらいの安心感。



…これで五つ下ですよ、信じられますか？



ああ…おうちゃんは一つ下で…帆兄は同い年だったなぁ。



最近はこんなことばかり思い出してる…不思議だなぁ。



…あたたかい、

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