階級・甲の癸さん拾壱

503話 ページ45

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「おーい、Aちゃん？いつまで寝てるのさ。」



揺さぶられた感覚がして、目を覚ます。



『…煌…先輩…？』



煌「そうだよ？寝惚けてるの？」



…僕に色んなことを教えてくれた…空の学校にいた、山城煌(やましろひかる)先輩。



…あれ…僕、今まで何をして…



『…何か、怖い夢を見ていた気がします。』



煌「怖い夢？」



『はい…何だか、とても怖い夢…異形の何かと戦わされる夢…。

…目が覚めたんだ…良かった…怖かった…死ぬかと思った…。』



そう言うと、優しく頭を撫でてくれる。



煌「そっかー、どんな人が出ていたの？」



『…長男で、匂いに敏感で…まともに見えてまともじゃない男の子。

何かと求婚してきて、女の子が好きな音に敏感な男の子。

何故か何かと喧嘩を売ってきて…勝負だ、って言って追っかけてくる男の子。

いつも笑顔な割に、その笑顔に凄く威圧の有る女の人。

いつも泣いてて、人のこと哀れとか言い出しちゃう男の人。

初対面で小石を投げてきて、それからも何かと毒を吐いてくる男の子。

大食いで、沢山食べる笑顔の可愛い…でも何かと困らせてくる女の人。

派手なことが好きで、何もかもが派手な男の人。

何だか熱くて、無駄に声が大きくて、たくさん食べさせようとする男の人。

初対面で肋折ってきて、もう見た目から悪人な強面の男の人。

僕を何故か無理矢理死地に送り出そうとしてきた、口下手な男の人。

家族が欲しいっていう気持ちの多い、僕を姉と呼ぶ男の子。

いつもいつも会う度ネチネチしてきて、人を怒らせる天才な男の人。』



…何でこんな夢見てたのかな、分かんないな。



『嫌な悪夢だなぁ。』

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