階級・甲の癸さん拾壱

502話　桜花side ページ44

桜花「A…聞こえてる？



沢山の人が…Aのことを心配して来てくれたんだよ。



炭治郎も、泣きそうな顔でAを見ていた。



善逸も、Aのことを救いたいって言ってた。



伊之助も、今度こそ勝つから起きてくれって。



胡蝶さんも、寂しいから、話したいからって。



悲鳴嶋さんも、今度は笑顔を守りたいからって言ってる。



時透くんも、話したいことがあるんだってよ？



甘露寺さんも、また可愛い笑顔が見たいって。



宇髄さんも、Aの元気な姿が見たがってる。



煉獄さんも、また一緒に何処かに行きたいんだって。



さねみんも、Aが帰ってくるのを待ってる。



冨岡さんも、今度は守るから、謝りたいって言ってるの。



累も、Aが助かって欲しいっていつも祈ってる。



伊黒さんも、置いて行くなって、不器用なくせに、本音を言ってるよ。



…私だって、Aに戻ってきて欲しいよ。



やっと思い出すことが出来たの。



あなたは、私に嫌な記憶かもしれないから忘れているのかもしれないって言ったね。



でも、決して嫌な記憶じゃなかった…少なくとも、Aと一緒に居た記憶は…Aと家族で居られた記憶は、かけがけのない大切な記憶だった。



…A、私はもう一度、“A”と話がしたいよ。



もう一度…私を“おうちゃん”って呼んでよ。



今度こそ…私の傍に…居てくれませんか…？



離れないって誓うから。



今度こそ最後まで信じるから。



置いて行かないから。



だから…置いて行かないで。」

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