499話 伊黒side ページ41
伊黒「…はあ。」
静かな癸の眠る部屋に来れば、相変わらず叶が癸の手を握り締めていて。
どんな表情をしているかも分からない…だが、分かるのは…この二人は、前々から知り合いだった。
…癸、お前が話してくれた死んだ妹とは、叶のことなのか?
お前は唯一俺にだけ話したと言っていたな。
…俺という、お前からしたら天敵であるはずの俺に何故話した?
そんなこと聞く勇気はない…だが、俺にとってのお前は違う。
最初こそ煩わしく、邪魔な存在だと思っていた…力も何もなく、何故柱候補なのかも分からない…と。
だが…鬼にさえ慈悲を与え、悲しそうに殺していく姿を見た時…何となく理由が分かったような気がした。
一々喧嘩を売ってくる腹の立つ奴だと思っていたのに…いつの間に、お前が此処まで俺にとって大きな存在になっていたのか。
何かと怪我をして帰ってくる…それなのに怪我を無視して抜け出しては鬼に絡まれ帰ってくる…。
そんなお前が、心配で仕方がなかった。
いずれ死んでしまうのではないか…居なくなるのではないか…そう思ったら、気が気でなくて。
…ああ腹が立つ、お前が俺の中で此処まで大きな存在で…お前にとっての俺はそうでないことが。
…早く起きたらどうだ、起きたら文句を言ってやる。
あれだけ油断をするなと言ったのに…命を無駄にするなと言ったのに…何故、
…何故、俺を置いて行こうとする。
お前はとっくに、俺にとって無くてはならない存在になっているのだ。
年下であるお前が…俺より先に逝くなど、そんなこと許さない、認めない。
伊黒「…早く起きないか、馬鹿猫。」
…言ってなかったが、俺は猫が嫌いではない。
お前のように愛らしい猫は…嫌いになったりしない。
668人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽっぽ - これ、夢小説界隈にいていい人じゃないよ、、この話の作り方とか、天才のソレ夢小説以外でもこの人の作品をよんでみたい。オリキャラの配置がもう神、、、 (4月20日 2時) (レス) @page44 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - 累くんsideのところでとどめを打たれました。え?はやいって?仕方ないじゃん!涙が勝手に出てきたんだもんっ! (2020年7月8日 18時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)
63:927393 - 涙が…止まらないです…めちゃ感動です。 (2019年11月7日 0時) (レス) id: 878066c85e (このIDを非表示/違反報告)
7112424 min(プロフ) - なんだよこれ…涙線崩壊しちゃったよ… (2019年10月23日 9時) (レス) id: a6cc06d7a9 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - 階級・甲の癸さんの拾壱を、見たんですけど、泣いて親にうるさいって言われました☆ (2019年10月16日 18時) (レス) id: 617ca4b157 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ