492話 時透side ページ34
時透「…ねぇ、」
声を掛けても返事をしてこない癸。
…すぐに忘れる僕が、忘れることのなかった相手。
本当は…一番最初に見た日から、忘れたことなんて一度もなかった。
投げた小石さえ気付かないし、喚いてるし、うるさいし…何でこんな子が柱候補なのかさえ全く分からない。
そう思っていたのに…冨岡さんを侮辱された途端に、人が変わったように強くなった。
そんな彼女を見て…多分、その時からずっと気になっていたんだと思う。
そもそも女なのに周りは気付かず…気付かせないほどの身のこなしをしていて…不思議なのと同時に、思わず“凄い”と思ったのを覚えている。
多分…一番最初にそれを思ったのは、冨岡さんを抜けば僕なんだと思う。
だからこそ腹が立った…他の人達がすぐ彼女を認め、彼女と溶け込み…話が出来るようになっていくことに。
それが理由で僕はわざと認めない風を装い、話が出来るよう…
…狡かったんだ、僕は。
こんなことなら、早く認めるって言っておけば…それで関わっておけば…もしかしたら、彼女は苦しみなどを話してくれていたかもしれない。
僕が意地を張っていたから…こんなことになってしまったんだ。
今更後悔をしたって遅いのに…ずっと、一人で馬鹿みたいに後悔している。
もし、声を掛けていたら、素直になっていたら、仲良くなっていたら。
こんなのを聞いたら…君は笑うかな。
ねぇ…話したいことがいっぱいあるんだ。
だから…早く起きなよ。
時透「…早くしてよ…癸…。」
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ぽっぽ - これ、夢小説界隈にいていい人じゃないよ、、この話の作り方とか、天才のソレ夢小説以外でもこの人の作品をよんでみたい。オリキャラの配置がもう神、、、 (4月20日 2時) (レス) @page44 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - 累くんsideのところでとどめを打たれました。え?はやいって?仕方ないじゃん!涙が勝手に出てきたんだもんっ! (2020年7月8日 18時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)
63:927393 - 涙が…止まらないです…めちゃ感動です。 (2019年11月7日 0時) (レス) id: 878066c85e (このIDを非表示/違反報告)
7112424 min(プロフ) - なんだよこれ…涙線崩壊しちゃったよ… (2019年10月23日 9時) (レス) id: a6cc06d7a9 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - 階級・甲の癸さんの拾壱を、見たんですけど、泣いて親にうるさいって言われました☆ (2019年10月16日 18時) (レス) id: 617ca4b157 (このIDを非表示/違反報告)
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