487話 竈門side ページ29
竈門「…癸さん。」
癸さんが怪我を負ってから一週間が経った。
あの時、桜花が血鬼術を使ったことで癸さんは一命を取り留めた。
…でも、傷は治ったけど…精神面とかがあって、もしかしたら目を覚まさないかもしれないらしい。
…初めて会った時、不思議で仕方なかった。
俺達と同じで…鬼を連れた隊士だというのが分かったから。
一緒に居る鬼からは凄い匂いがした…多分今まで、多くの人を喰ってきた…そんな匂いが。
それでもわざと何も聞こうとしなかったのは…癸さんから、とても優しい匂いがしたから。
泣けてしまうほどに優しい匂いのする癸さんは…いつも何かを隠していて。
烏天狗の面の下では、いつも笑っていることが分かった。
みんなに困らされて表情を変えたりしても、最後にはいつも笑っていて。
…その笑顔の裏に、辛い気持ちや悲しい気持ち…そんなものを多く隠していたのに。
気が付いていたのに…俺は知らないふりをしていた。
竈門「…桜花、少し休もう。」
あれから毎日やって来るものの、桜花は癸さんから離れることなく…ずっと手を握っている。
ろくに食事を摂ることもなく俯きながらその手を握る姿は…何だか儚くて、壊れそうだ。
…癸さん、早く戻ってきてくれ。
桜花が心配なのはもちろん…でも、それだけじゃない。
俺はあなたともう一度話したい。
もしまた話せるとしたら…今度は、あなたの“面”を外して話させて欲しい。
もし何かに気付いていれば…こうはならなかったのに。
気付け無くてごめんなさい。
今度こそ絶対に救うから…お願いだ、起きてくれ…。
竈門「っ…癸さん…」
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ぽっぽ - これ、夢小説界隈にいていい人じゃないよ、、この話の作り方とか、天才のソレ夢小説以外でもこの人の作品をよんでみたい。オリキャラの配置がもう神、、、 (4月20日 2時) (レス) @page44 id: b2924b43fc (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - 累くんsideのところでとどめを打たれました。え?はやいって?仕方ないじゃん!涙が勝手に出てきたんだもんっ! (2020年7月8日 18時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)
63:927393 - 涙が…止まらないです…めちゃ感動です。 (2019年11月7日 0時) (レス) id: 878066c85e (このIDを非表示/違反報告)
7112424 min(プロフ) - なんだよこれ…涙線崩壊しちゃったよ… (2019年10月23日 9時) (レス) id: a6cc06d7a9 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - 階級・甲の癸さんの拾壱を、見たんですけど、泣いて親にうるさいって言われました☆ (2019年10月16日 18時) (レス) id: 617ca4b157 (このIDを非表示/違反報告)
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